野村克也 名言集

仕事に挫折したとき、組織に悩んだとき、人生に苦しんだとき… 野村克也の言葉があるじゃないか。ノムさんの人生哲学が凝縮された名言集。

感性は生きる力なり

喜怒哀楽、どれもあふれるほどあったほうがいい

口下手であり表現下手を自認している野村。しかし、感情はたっぷりと持っているつもりだ。それに、なにに対しても積極的に感応するという精神態度だけは失うまいと、いまも日々気をつけている。喜怒哀楽はどれも重要な感情で、はっきりあったほうがいい。

とことん凹む人間は、見込みがある

鈍感な人間というのは、感動したりショックを受けたりすることが少ない。とことん凹むということは、感性が鋭いということである。これは、どんな仕事においても大切な要素だ。

なんとなく生きている人は、どうしても感性が鈍い

貧しかったり、苦労したりしてきた人は感性が鋭いことが多い。一方で、不自由なく生きてきた人はどうしても感性が鈍いところがある。感性を磨くためには、貪欲な向上心が必要だ。

理をもって接する。理をもって戦う

野村は、何事も理にかなっているかどうかを根本的に考えている。「理」とは知識と知恵、考え方である。投球にしても、打撃にしても同じ。戦術も試合運びも理がなければいけない。技術だけで勝つことはできない。

常にかまわれていると「受け身の人間」になってしまう

何でも与えられ、教えられ、「こうしなさい」と指示を出されれば、そうされるのが当たり前だと何の疑問も抱かず、自分から問題を探し出し、自主的に物事に取り組もうという気など起きるわけがない。依頼心が強ければ強いほど、感性を鈍らせ、思考能力を衰え…

感覚とは、感じて覚えると書く。覚えるとは、頭にイメージが焼きついたということである

現役時代の野村は、素振りをするときに聴覚に気を使った。「ブンッ」というバットの振幅音が聞こえるときは正しいフォーム、正しい力の入れ方ができているときだった。いったんその感覚をつかんだときは、すぐに実戦で試したくなり、早く明日になれと思った…

目に見える表面的な現象だけを追いかけていたのでは、物事の本質に迫ることはできない

本質を捉えるには「観る」目が必要。「見る」は目で見ることだが、「観る」は心で見ることを言う。「見る」は表面的なものだが、「観る」は状況を判断するために意識してものを見るという深さがある。いわゆる「観見二眼」というものだが、これはスポーツだ…

感じることができなければ、考えることもできない。考える力がないということは、感じる力、すなわち感性が欠如しているということである

感謝の気持ちがあってはじめて、人には感じる力が養われる。感じる力が備わってくると、考える力も並行して鍛えられる。感じる力と考える力は一体のものなのだと、野村は考えている。

伸びる人間は、野球選手であれ、一般人であれ、共通している。感性が鋭く、問題意識や明確な目標を持ち、努力することをいとわない人間である

これまで数多くのプロ野球選手や関係者をはじめ、多くの人間と接する機会を持ってきた野村の持論。このような人間は、失敗したり、つまづいたりしても、ちょっとしたことでヒントを得たり、自分なりに工夫して、そこから力強く立ち直っていく。

人は本物と出会うことによって、本物を知る

野村の現役時代、元大リーガーのブレイザーが南海に入団した。日本の野球が遅れていることを自覚し、メジャーの野球に強い興味を抱いていた野村にとって、ブレイザーの野球理論は目から鱗が落ちる思いだった。野村の野球観はブレイザーと出会ったことで急速…

礼儀とは、好き嫌いで判断するものではなく当然、そこにあるべきもの

礼儀とは、その人が持つ感性の原点である。

失敗したときに、何も感じることがない人間には先がない

自分の失敗に鈍感な人間ほど、すぐ謝る。

深い思考の出発点は、「ものの見方」

「見る」とは、目の前にあることを捉えること。「観る」とは、相手の心の動きを察すること。相手や状況を「観る」ことで、深みのある思考が可能になる、

人間の最大の悪は何か。それは鈍感である

鈍感な選手は同じ失敗を繰り返す。感性が鈍いから失敗しても失敗と気づけないし、たとえ失敗を自覚しても、なぜそれが起こったかを自己分析できない。

「発想力を広げる」というのも努力のうち

努力をする、というと無我夢中で何かをすることのようなイメージがあるが、それだけではない。必死に感じる力を使って発想を広げるということも努力なのだ。

メモをつけよ。メモすることが癖になると、「感じる」ことも癖になる

現役時代から野村は「メモ魔」だった。興味を惹かれたことは何でもメモしていた。

鋭い感性を持たない人間は、少なくとも持とうとしない人間は、絶対に一流にはなれない

一流選手はみな、小事に気づく感性に優れている。これには例外がない。

「真似る」を「学ぶ」まで進めよ

野村が打撃の神様・川上哲治のスイングを真似しようと見ていると、川上は前かがみになって、柄杓で水を撒くような低めの素振りを繰り返していた。なぜそんなことをするのか、実際に真似てみて気がついた。「きっと下半身の使い方を身体に覚え込ませているの…

もっと女を口説け

女性を口説くためには、ただやみくもに迫ればいいというものではない。相手の性格や嗜好などさまざまな情報を集め、どうすればこちらを振り向いてくれるか、それなりの作戦を立てる必要がある。相手の反応や態度から心理を読み、効果的な方法でアプローチし…

無形の力は有形の力に勝る

投げる・打つ・走るという目に見える「有形の力」には限界がある。しかし、観察力、洞察力、判断力、決断力、記憶力。データを収集・分析して活用する力。さらに深い思考と確固たる哲学……これら目に見えない「無形の力」は無限である。磨けば磨くほど、鋭く…

小事が大事

一流のバッターは、ピッチャーのフォームにわずかに現れるクセを見逃さない。一流のキャッチャーは、バッターのスタンスやボールの見逃し方などから、考えていることを見抜く。一流の野手は、キャッチャーの出すサインを見て、打球の飛んでくる方向を予測し…

感動とは「感じて」即「動く」ことである

感じなければ人は動かない。動かなければ、成長することもない。

礼儀は感謝の心を養い、感じる力、考える力をも養う

それが人間形成につながり、人からも高い評価をされるようになり、愛され、人間関係を円滑にしてくれる。

頭を使って、見ろ、考えろ、備えろ

選手に頻繁に言う口癖。知力の戦いに厳しさを求めている。

夢や希望を抱くことは、「感じること、考えること」の出発点

ヤクルト監督就任後、ミーティングなどで、選手の態度から「変わりたい」「向上したい」という意欲をひしひしと感じた。池山隆寛や宮本慎也が後年、「野村監督のおかげで今がある」とテレビや雑誌を通じて発言していることを、心から喜んでいる。

打者の動きを見ろ。反応を見ろ。見えなければ感じろ

捕手にとって必要なのは観察力、洞察力である。

データは変化を見る基準

これを補うのが「観察」。目に見えるものから情報を引き出す力のことである。「洞察」とは目に見えないものを読む力。これの最たるものが心理を見抜く力だと定義する。

一人で練習する効用。集中力、感じる心、考える力を養う

孤独な作業や練習こそが、明日の自分を作る。

ベンチでのさりげない一言が、選手を育てる

「ベンチでのささやきは、目の前に試合が展開しているから効果がある。簡単に言えば野球教室。目の前に具体例があるからこそ、説得力がある」。

努力しても結果が伴わないことはいくらでもある。努力するにもセンスが必要

センスとは「感じる、考える」ことで磨かれる。監督やコーチは、本人の資質にプラス思考のアドバイスを送ること。指導者の役割は“気づかせ屋”。