無視・称賛・非難
「お前は二流はよう打つけど、一流は打てんのう」南海で四番を任された頃、鶴岡一人監督に言われた言葉が重く響いた。当時の一流投手と言えば、西鉄の稲尾和久。「何が何でも一流を打ってやる。稲尾を打ってやる」。稲尾のフォームを16ミリカメラで撮影し、…
箸にも棒にもかからず、まったくお話にならない時期は「無視」。少し見込みが出てきたら「称賛」。そして、組織の中心を担うような存在になったと認めたら「非難」する。野村はそうして選手に接してきた。これは、野村自身が南海の鶴岡一人監督にそのように…
「褒めておだてるのは、そうしなければ自ら動こうとする意欲が引き出されないからである」。一人前になれば、褒められなくても自分の意思でさらなる高みを目指そうとする。
「怒る」は感情。「叱る」は愛情。相手の方向性を見出し、導くこと。
テスト生時代は全く無視される毎日。入団4年目、レギュラーをつかんだ時期には、鶴岡一人監督から「おまえ、ようなったな」と称賛された。中心選手になった時期はうまくいって当たり前。点を取られてベンチに戻ってくると「バカタレ!」の連発だった。「まさ…