野村克也 名言集

仕事に挫折したとき、組織に悩んだとき、人生に苦しんだとき… 野村克也の言葉があるじゃないか。ノムさんの人生哲学が凝縮された名言集。

「そなえ 35歳までに学んでおくべきこと」

夢は必ず叶う。叶わないのは努力が足りないからだ

人間というものは、好きなことなら、夢があるのなら、いくらでも頑張り続けることができる。

「フォア・ザ・チーム」とは、必ずしも「自分が打つ」「自分が勝ち星をあげる」ということではない

フォア・ザ・チームとは、「チームのために自分はどのように役立てばいいのか」を常に念頭に置き、実践すること。それができる人間が多ければ多いほど、組織は強くなる。

何事も徹せよ

自分の持ち味を発揮するために大切なこと。自分の持ち味は何なのか、自分は何ができるのか、自分の長所を誰にも負けない武器にするには何をすればいいのか、何をすべきなのか、徹底的に考え、磨いていく。その中から自分を活かす道が拓けてくる。

組織の中心を担う人間は、ほかの人間の手本になれ

野球で言えば、エースと四番がそれに当たる。中心の考え方と行動は、他の人間に伝播する。

「努力しなければ」と思っているうちは本物ではない

努力を努力だと思っているうちは、半人前。「当たり前のことを当たり前にするのがプロ」。

「新到三年、皓歯を見せず」という言葉がある。どんな道を進むにしても、そういう時期がなければ、大成することなどありえない

皓歯とは、白い歯のこと。「何をするにしても、少なくとも三年間は白い歯を見せることなく、歯を食いしばって、無我夢中で取り組みなさい」という意味。

「一日3ゲーム」を自分に課していた

1ゲーム目は、試合前に頭の中で完全試合をイメージする「予測野球」。2ゲーム目は、実際の試合の「実戦野球」。そして3ゲーム目は、試合全体をもう一度振り返り、予測野球(理想)と実戦野球(現実)の差を検証して次に活かすための「反省野球」である。

テスト生としてプロ入りし、まったく期待されていなかった私がなんとか45歳まで現役を続けられたのは、一度も満足しなかったから

プロ選手である限り、そこそこの成績をあげていれば、世間一般よりずっといい生活ができる。周囲もちやほやしてくれる。「もうこれで満足だ」と思ってしまうのも不思議ではない。だが、その時点で成長は止まる。満足は成長への最大の足かせなのだ。

固定観念は悪。先入観は罪

知識は多いほどいい。知らないより知っていた方がずっといい。けれども、固定観念と先入観は百害あって一利なしである。野村は、現役時代も、監督になってからも、少しでもいいと思ったものは何でも試してみる一方、自分に合わないと思ったら、「よい」とさ…

言い訳は進歩の敵

「私が見た限り、言い訳をする選手は伸びたためしがない」。

勝利の女神が最も嫌うものは何か。「言い訳」である

何より言い訳は聞き苦しい。聞かされている人間はたまったものではなく、その人間を軽蔑し、一緒に仕事をしたいとは思わなくなるだろう。

メモをつけよ。メモすることが癖になると、「感じる」ことも癖になる

現役時代から野村は「メモ魔」だった。興味を惹かれたことは何でもメモしていた。

鋭い感性を持たない人間は、少なくとも持とうとしない人間は、絶対に一流にはなれない

一流選手はみな、小事に気づく感性に優れている。これには例外がない。

天才はめったにいない。ほとんどの人間が凡人である。不器用である。そういう人間がいい仕事をし、人より抜きん出ていくためには、「小事」「細事」が非常に「大事」になる

凡人が人より抜きん出ていくためには、小事を大切にし、それを積み重ね、一歩一歩大事に近づいていくしかない。小事が大事を生む。

「一」を大事にせよ

「一」ははじまりであり、基本であり、本質、すべてでもある。「一」がなければ「二」も「三」もない。「一」の内容と結果がその後を決めるのだ。

準備とは、「意識づけ」である

仮にもプロのピッチャーが簡単に打てるボールを投げてくるわけがない。どんな一流バッターでも10回のうち7回は失敗する。しかし、どんなにいいピッチャーでも失投はある。その失投を確実にモノにするために必要なのが、入念にして周到な“準備”。一流と二流の…

一に準備、二に準備

毎日のように選手に伝えた言葉。よい結果を生むためにはよいプロセスが必要であり、きちんとしたプロセスを踏むからこそよい結果が生まれる。

耳は大なるべく、口は小なるべし

耳は教養や知識を入れるために大きく開いておき、口はしゃべりすぎないよう、控えめに小さくしておくべし、という意味。これが逆になっている人も少なくない。

自信をなくし、円形脱毛症にかかった

現役を引退し、評論家活動をはじめた野村が、最初にぶち当たったのが言葉の壁だった。野球に関する知識や理論は誰にも負けないと自負していた野村だったが、それを一般の人たちにわかりやすく伝える術(言葉)を持っていなかったのである。「言葉を磨かなけ…

男のケチは人格を疑われる

ケチの人は、人徳を得られない。いくら卓越した知識、理論、技術を持っていたとしても、周りの人間はついてはいかない。人間性や人望などを含めたトータルな人間としての魅力が、リーダーには必要不可欠。

弱いチームは規律が甘い。乱れている。断言してもいい

考え方も氏素性も異なる人間を統率し、同じ目標に向かって進ませていくためには、最低限の秩序やルールが必要。それを無視して各自が勝手に行動すれば、組織はまとまらない。当然、よい仕事もできない。

人間は自己愛で生きている。誰しも自分がいちばんかわいい。だから、自分に対する評価はどうしても甘くなる

だから、バイアスがかかっていて適正とは言い難い。その人間の価値、評価は、自分ではなく、他人が決める。他人が下した評価こそが正しいのだ。

自問自答できる人間は、絶対に伸びる

なぜ、うまくいかなかったのか。何がいけなかったのか。どうすればうまくいくのか。そのためには何をすればいいのか。

一人前になれば、周囲からの要求は当然高くなる

それまでと同じことをしていては、周囲は満足してくれない。いきおい、周囲は厳しく接するようになる。

まったく実力がないにもかかわらず、「自分を見てくれていない」と言ってふてくされるようでは、元から見込みがない

「なんとかして自分を見てもらいたい、認められたい」と願い、「そのためにはどうすればいいのか」と考えるところから、人の成長は始まる。

人間は、「無視、称賛、非難」の順で試される

箸にも棒にもかからず、まったくお話にならない時期は「無視」。少し見込みが出てきたら「称賛」。そして、組織の中心を担うような存在になったと認めたら「非難」する。野村はそうして選手に接してきた。これは、野村自身が南海の鶴岡一人監督にそのように…

褒められているうちは半人前と自覚せよ

「褒めておだてるのは、そうしなければ自ら動こうとする意欲が引き出されないからである」。一人前になれば、褒められなくても自分の意思でさらなる高みを目指そうとする。

自分を生んでくれた親に孝行しようという気持ちがない人間が、満足な仕事をできるはずがない

親孝行=感謝の心と言える。親孝行は、大成するための必要にして最低限の条件。

大きな実績を残している組織は、礼儀についてもしっかり教育しているし、礼儀をきちんとわきまえた人間は、仕事においても立派な結果を出すもの

ヤクルト監督時代、優勝を決めたあと、消化試合でBクラスのチームと対戦した。そのチームの選手は野村の顔を見ても「こんにちは」と言うだけだった。そのあと巨人の選手と会うと、皆が口々に「おめでとうございます」と言ってくれた。「さすがは巨人だな……」…

チームの中で、野球界の中だけで認められていても仕方がない

野球選手と言えども、一般社会の中で認められるようになることが大切。一般社会で認められれば、その後の人生に困ることはない。そのためには、何よりもまずしっかりとした人生観を確立しなければならない。