野村克也 名言集

仕事に挫折したとき、組織に悩んだとき、人生に苦しんだとき… 野村克也の言葉があるじゃないか。ノムさんの人生哲学が凝縮された名言集。

2019-08-22から1日間の記事一覧

考えることを放棄すると、すべてが幼稚になる

世の中もずいぶんと幼稚な世界になってしまった。政治のこと、経済のこと、日々起こる犯罪など……。野村は、野球とは、仕事とは、人生とは、と自問自答していくことで考えが深まる「とは理論」を説いてきた。考えることを放棄していては、この「幼稚さ」の渦…

良書は表現力を豊かにする

言葉を磨くためにいちばん有効なのが読書ではないだろうか。良書を読むことはその人の表現力を豊かにする。野村自身も、評論家時代に貪るように本を読んだことで自分の言葉を獲得できたと思っている。

変わることができれば、自分自身を永遠に創造していける

新しい体験というのは、いくつになっても怖いもの。これまでの価値観や枠組みを壊すことは勇気のいることだが、その勇気を失ってしまったとき、人は進歩や創造から遠ざかっていくことになる。老いのはじまりだ。

自己犠牲をいとわない人には、信頼が集まる

個人の数字も大事だが、自らが所属するチームに貢献することがもっともっと大事だ。このことを理解し実行する人間が組織のなかに多ければ多いほど、より強固なチームへと成長していく。

縁を大切にすると、人生はより豊かになる

人生とは縁そのものだと考えている。人との出会いが人生をつくっていると言ってもいい。広い世界でその人と出会ったということは、それだけでなにか意味があることだ。

人として尊敬されるかどうかは、どんな境地に達しているのかで決まる

それが、その人の人間力を決定づける。

配球も人生も、大事なのは「緩急」

すべてのボールを一球入魂、全力投球したがるのが「真面目な優等生」、手を抜いても許されるところでは加減して、遊び心を持って投げているのが「不真面目な優等生」。エースと呼ばれる投手は、そのほとんどが不真面目な優等生だった。人生だって、適度な遊…

人徳は、才能の主人

才能があっても人徳が備わっていなければ、家に主人がおらず、使用人が好き勝手に動いているようなものだ。

小さなことにこだわれば、大きなものを手にできる

小さなことの積み重ねの先には、大きな光が待っている。人の心に最終的に残るものとは、自らが考えて導き出しこだわって取り組んだ「小さなこと」だ。

キャリアは嘘をつかない

いまでも野村は、見抜く力、読み取る力にかけては、大方の現役選手に負けない自信がある。プロ野球の世界で全神経を集中して、何十年もクセを見抜く訓練を続けてきたのだから、そこらの選手とは見えるものがちがうのだ。キャリアは嘘をつかない。そこには、…

「働く」とは、ハタ(傍)をラク(楽)にすること

家族やふるさと、国を愛せない人間に「チームを優先させる」ことはできない。1、2点リードされた終盤に、先頭打者がすべきことは、可能な限りピッチャーに余計な玉を投げさせ、勝利への執念を見せること。それが相手バッテリーやベンチにプレッシャーをかけ…

他者に好影響を与える人を、真の「人気者」という

「人気とはなにか?」野村は交流のあった上方の喜劇役者・藤山寛美の言葉を思い起こす。「兄貴、“人気”ってどう書きます? “人の気”と書くでしょう。人の気をつかむ、人の気を動かすのは大変なことですよ。“自分の気”と書いて人気と読むなら、それは簡単なこ…

喜怒哀楽、どれもあふれるほどあったほうがいい

口下手であり表現下手を自認している野村。しかし、感情はたっぷりと持っているつもりだ。それに、なにに対しても積極的に感応するという精神態度だけは失うまいと、いまも日々気をつけている。喜怒哀楽はどれも重要な感情で、はっきりあったほうがいい。

人の悪口を言わないような人間は、信用するに値しない

人の悪口とは本来は否定的なものであるが、野村は悪口を言うか言わないかを信用度をはかるバロメーターとしても使っている。周囲との対立を極端に避ける人間は、自分の意見を押し隠したり、相手によって意見を翻したりする傾向がある。その人の本心が読み取…

美辞麗句を並べる者にろくな者はいない

かつてに比べ現代社会においては、どうも口が達者で、如才なく立ち回れる人間が得をする傾向にある。才気煥発であることがもてはやされて、人物の器さえないがしろにされてしまっているのだ。うまい話には裏があるように、調子のいいことばかり言う連中には…

「善人」と「悪人」がいるのではなく、「弱い人」しかいない

そして、その「弱さ」から這い上がれるかどうかは、結局は自分自身にかかっている。「人は皆弱者である」これもまた野村の持論である。

人生、上がれば下がる、下がれば上がる

振り返ってみれば、野村の人生は「まさか」の連続であった。「まさか」という「運」が次から次へと身に起こり、そのたびにそれをチャンスに転化することによって人生を切り開いてきた。どんな状況でも、常に先を見据えることが肝要だ。

常に原理原則を見据えよ

原理原則とは、一語で言えば「理」である。野球というスポーツの勝敗を握るのは、7〜8割が投手である。投手が相手打線を0点に抑えられれば、100%負けない。逆に、味方打線が10点取っても、100%勝てるとは限らない。だから、理にかなった野球をするなら、投手…

「WHY NOT」は守りの哲学

打者が三振したとする。そこで「なぜ、三振したのか」で終わってはいけない。「なぜ、打てなかったのか」まで考えるのだ。裏側まで検討しなければ、今後の対策としては十分とは言えない。

強者とは対等に戦ってはいけない

弱者が強者と戦うときは、間違っても対等に勝負しようと思ってはいけない。戦いとは騙し合いである。正攻法ばかりでもダメだし、奇襲ばかりでもダメ。機を見て奇襲を仕掛けるのが常套手段なのである。

組織に必要なのは、言いにくいことを口にしてくれる人

リーダーになると、自分の意見に賛同してくれる人を周囲に置きたくなるが、それでは組織としての成長は止まってしまう。勝ちたいなら、自分に進言してくれる人、それも、根拠を持って発言してくれる人をそばに置くべきだろう。

弱者が強者を倒すには、まとまるしかない

戦力が整った強いチームを倒すにはどうしたらいいか? ひとつにまとまるしかない。チーム一丸となって強者に立ち向かうしかないのだ。そういうチームをつくらなければ勝てないということだ。

君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず

優れた人物は他人と協力し合うが、むやみに群れることをしない。つまらない人物ほど簡単に同調するが、真に他人と理解し合うことがない。

リーダーに最も必要な資質は、深沈厚重

中国・明時代末の混迷の時代に生きた政治家・思想家である呂坤が『呻吟語』においてリーダーの資質を順に3つ挙げている。もっともリーダーに適しているのは「深沈厚重」。ものごとに同日、どっしり落ち着いて深みのある人物である。2番目は、「磊落豪雄」。…

結果の責任は、すべてリーダーが取る

「私が責任を持ちます。結果が出なければ、私も一緒に辞めます」これは、当時のヤクルトの球団社長だった相馬和夫さんが役員たちに対して言い放った言葉である。野村は、相馬社長からリーダーが備えるべきもっとも大切な条件のひとつを教えられた。リーダー…

経営者にいちばん大切な条件は熱意

ある財界人によると、経営者に最も大事なのは「熱意」だという。「学力、知識は少し劣ってもいい。熱意の劣っている人を経営者にしてはいけない。熱意のある人には人がついてくる」。野村も、熱意のない人間には監督は務まらないと思っている。プロ野球の監…

満は損を招き、謙は益を受く

政治史や政教について書かれた中国最古の歴史書である『書経』に、この言葉がある。トップには、自分の考えが正しいとばかりに思っているタイプがとても多い。野球でも監督としての信念は必要だが、まわりの意見を聞く姿勢がなければ、勘違いして謙虚さをな…

金は追うものではなく、ついてくるもの

チームの勝利や優勝を第一の目的とできない選手は、団体競技である野球に参加する資格はない。野村は、選手たちに、チームに貢献するプレーをすればお金も稼げるようになると教えてきた。

現状維持は後退である

何年かにわたって2割5分前後の打率を残している打者がいたとする。1年の多くを一軍のベンチに座ることができているとすれば、おそらく安定を手に入れていると見ていいだろう。だが、この状況に満足するか、さらに上を目指すかがすべて。もし、現状維持で満足…

進歩の比率は、練習「1」、実戦「9」

どんなに理にかなった練習や限界を超える厳しい練習をしたとしても、その成長はわずか1でしかない。実戦で経験し学ぶことで、人は飛躍的に成長する。実戦における成功体験は、成長スピードを加速させる原動力になる。だからといって、練習を過小評価している…