野村克也 名言集

仕事に挫折したとき、組織に悩んだとき、人生に苦しんだとき… 野村克也の言葉があるじゃないか。ノムさんの人生哲学が凝縮された名言集。

2017-01-08から1日間の記事一覧

自分の「型」を身につけるには模倣から始めよ

芸道の世界に「守破離」という言葉がある。まずは模倣から入り<守>、そこに自分なりの「型」を加え<破>、最後に独自の技に磨き上げていく<離>ことが大切。

恵まれすぎることは、恵まれないことよりも劣る

現代のプロ野球は練習設備が整い、プロの世界に足を踏み込んだときからコーチが手取り足取り指導してくれる。だが、一歩間違えれば、その恵まれた環境が選手の自主性や考える力を奪うことにつながる。過保護な親が子どもをダメにするのと同じ。

中途半端な安定を手に入れている選手ほど、変わることを怖がるものである

変わることによって一流選手の仲間入りをする可能性よりも、変わったために失敗して、現状よりも状況が悪くなるリスクの方に意識が向くようである。つまり変わる「勇気」が持てないのだ。しかし変わらなければ人は成長しない。

人間の本当の勝負は、「実は自分にはたいした素質があるわけではない」と気づいたところから始まる

凡人は素質だけでは勝負できない。必ず壁にぶち当たる。苦労をする。だからこそ己が生きる道を必死で考え、変わることができるのである。

130キロ台のボールしか投げられないピッチャーが、150キロ台のボールを投げようと努力するのは、間違った努力である。同様に短距離バッターがホームラン数を増やそうと努力するのも、間違った努力である

130キロ台のボールしか投げられないのであれば、どうすればその球速で相手打者を打ち取れるか、「思考」の限界まで考え抜くことが大事。そして130キロ台で勝負できるピッチャーへと、「勇気」を持って今の自分を変えていけばいいのだ。

本当に努力をする人間は、苦労を苦労とも思わず、そして努力を努力とも思わずに当たり前のように物事に取り組むことができるものだ

野村が王貞治の生き方を見ていて思うこと。誰よりも厳しい練習に耐えてきた王は、自分がやってきたことを決して「苦労した」「努力した」などと口にしない。厳しい練習に取り組むことは、王にとって当たり前のことだったからである。

苦労に直面したときに、その苦労にどう向き合ったかによって、その人自身の生き方、考え方が定まっていく

「若いうちの苦労は買ってでもしろ」という言葉があるが、これは若いうちの苦労がブレない生き方を確立するうえで欠かせないものだからだ。

苦労と真剣に向き合うことは、「本物の人間になるチャンス」である

「若いころにさんざん苦労してきた私としては、苦労ほど嫌なものはないことを身にしみてわかっている。しかし一方で、苦労が自分を成長させてきたこともよく知っている」。

カメにはカメの強みがある

たいした苦労もせずに階段をぴょんぴょんと駆け上がることができるウサギとは違い、カメは階段を一段一段上がるごとに苦労に直面する。この苦労を苦労で終わらせずに自分を高めるチャンスに変えることができたとき、カメがウサギに追いつき追い抜く可能性が…

習慣にしてしまうこと。それが努力し続ける一番のコツ

「やらなければ気持ちが悪い」というふうになれば、努力を努力だと感じなくなる。現役時代の張本勲も「夜の素振りは、オレの睡眠薬」と話していた。

「この監督の言うとおりにやっていれば必ず結果は出る」そのように思わせることが何よりも大切だった

選手の信頼があってこそ、初めて監督は自分の目指す野球を実践できる。監督就任最初のキャンプでは、どのチームでも選手をミーティング漬けにし、野球の知識はもちろん、人生論や哲学など野村の持っているすべてを選手にぶつけ、意識改革と信頼獲得を図った…

監督業とは“気づかせ屋”

選手が気づき、アドバイスを求めてくれば、そこからが指導者の腕の見せどころ、勝負どころ。そういうときの選手は向上心や知識欲が充満し、アドバイスを受け入れる態勢ができているから、教えたことをスポンジが水を吸い込むように、吸収していく。

配球は、一球一球、根拠が必要だ

ヤクルト監督時代、正捕手に抜擢した古田敦也に伝えた言葉。「徹底的に配球を勉強しろ。オレのそばから離れるな」。

記憶に頼るな、記録に残せ

人間は、忘れる生き物。野村は現役時代、対戦したすべてのピッチャーの配球やクセをメモしていた。同じ失敗を予防するために欠かせなかった。現在も本やテレビ、人との対話で気づいたこと、感じたことを何でもメモ帳に“記録”している。

弱者は頭を使うしかない

プロ入り4年目でホームラン王を獲得。「なんとかプロでやっていけそうだ」と思った矢先、まったく打てなくなった。相手バッテリーから研究されるようになったのだ。技術的限界を感じた野村は、データの活用に活路を見出し(当時の野球界には“データ”という言…

成功や勝ちからよりも、失敗や負けから得るもののほうがはるかに多い

失敗し、負けたからこそ、「自分のやり方はおかしいのではないか」と疑問を抱き、正そうと考える。頭を使い、考えることは、敗者ならではの“特権”。

負けは謙虚さと慎重さの母

失敗や負けは、過信やうぬぼれを戒め、謙虚さ、素直さを教えてくれる。さらに、慎重さ、繊細さを身につけることを要求する。

成功体験が過信、驕り、満足を生む

成功することで人間には自信が芽生える。だが、自信はともすれば過信やうぬぼれに変わる。しかも、うまくいっているとき、調子に乗っているときは、自分が過信していること、うぬぼれていることに気づかない。あるいは気づいても、「このままで大丈夫だ」と…

野球とは“失敗のスポーツ”である。成功より失敗の方がはるかに多い

バッターは、どんなに優秀であっても、ほぼ7割の確率で打ち損じてアウトになる。エースと呼ばれるピッチャーでも、一試合に失投と呼ばれる投げ損じが、かなりの数ある。

まず、1日努力せよ。それだけで、昨日と違う自分を発見できる

最初は「今日だけ」でいい。「その日1日だけ」努力してみる。そうすれば、「明日もやってみようか」となる。2日やり終えれば、さあ3日目も…。「3日続けば1年続く。1年続けば3年続く」。

殴った方は忘れていても、殴られた方は忘れていない

プロ4年目でホームラン王を獲得。だが翌年、成績が低迷。ホームランを打てるボールが来ず、苦手なカーブで打ち取られ、客席から「カーブが打てないノ・ム・ラ!」とヤジられた。昨年打たれた相手バッテリーが、次は野村を抑えてやろうと、手を尽くして向かっ…

24時間、仕事のことを考えてみよ

24時間、仕事のことばかり考えていられる意志の強い人間にのみ、本物の技術やスキルは身につく。

お前の特徴はなんだ?

よく選手に聞いた言葉。だが、その答えをすでに知っていた選手は少ない。短いプロ野球人生を生きる以上、それを考えなければいけない。プロ野球選手も客商売。その意識がなければ、自分を磨くことはできない。

人間が最も美しい瞬間は、一生懸命、物事に取り組んでいるときである

笑う、頬を緩ませるよりも、歯を食いしばる方が人間を美しく見せることはよくある。

アマは「自分が喜ぶ」。プロは「人が喜ぶ」

自分が笑うために一生懸命やるのはアマチュア。プロは、人に喜んでもらう、笑ってもらうために努力する。

18歳でプロに入って、初めて褒められたのは、バッティングでも守備でもなく、手のマメだった

「おい、野村。素振りをやって一流になるんなら、みんな一流になってるよ」。ブルペンキャッチャーの役割しか与えられず、試合にも出られなかった二軍時代。先輩からの飲みの誘いを毎晩のように断り、とにかく素振りをしていた。ある日、二軍監督が選手たち…

「思い切っていけ」は指示ではない

単なる精神論、応援でしかない。どうすれば思い切っていけるかという「How」を授けなければならない。

礼儀とは、好き嫌いで判断するものではなく当然、そこにあるべきもの

礼儀とは、その人が持つ感性の原点である。

よく遊び、よく働く。遊ぶために働く。働いたから遊ぶ

仕事と遊びは、対等な関係でなければならない。豪快に遊べる人は、豪快に働ける。

好きだから一番になれる。好きだから一番を目指す

仕事を好きになれるか、これが成功のための大きな要素。好きだから、悔しさをそのままにせず、かみしめて乗り越えることができる。