現役時代の野村は、素振りをするときに聴覚に気を使った。「ブンッ」というバットの振幅音が聞こえるときは正しいフォーム、正しい力の入れ方ができているときだった。いったんその感覚をつかんだときは、すぐに実戦で試したくなり、早く明日になれと思った。寝床に入っても、眠ってしまったらこの感覚を忘れてしまうのではないかと不安になり、夜中に再びバットを降り始めたこともあった。
- p.112
- 作者:野村克也
- 出版社:海竜社
- 発売日:2014/10/24
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現役時代の野村は、素振りをするときに聴覚に気を使った。「ブンッ」というバットの振幅音が聞こえるときは正しいフォーム、正しい力の入れ方ができているときだった。いったんその感覚をつかんだときは、すぐに実戦で試したくなり、早く明日になれと思った。寝床に入っても、眠ってしまったらこの感覚を忘れてしまうのではないかと不安になり、夜中に再びバットを降り始めたこともあった。