野村克也 名言集

仕事に挫折したとき、組織に悩んだとき、人生に苦しんだとき… 野村克也の言葉があるじゃないか。ノムさんの人生哲学が凝縮された名言集。

組織・チーム

自己犠牲をいとわない人には、信頼が集まる

個人の数字も大事だが、自らが所属するチームに貢献することがもっともっと大事だ。このことを理解し実行する人間が組織のなかに多ければ多いほど、より強固なチームへと成長していく。

「働く」とは、ハタ(傍)をラク(楽)にすること

家族やふるさと、国を愛せない人間に「チームを優先させる」ことはできない。1、2点リードされた終盤に、先頭打者がすべきことは、可能な限りピッチャーに余計な玉を投げさせ、勝利への執念を見せること。それが相手バッテリーやベンチにプレッシャーをかけ…

強者とは対等に戦ってはいけない

弱者が強者と戦うときは、間違っても対等に勝負しようと思ってはいけない。戦いとは騙し合いである。正攻法ばかりでもダメだし、奇襲ばかりでもダメ。機を見て奇襲を仕掛けるのが常套手段なのである。

組織に必要なのは、言いにくいことを口にしてくれる人

リーダーになると、自分の意見に賛同してくれる人を周囲に置きたくなるが、それでは組織としての成長は止まってしまう。勝ちたいなら、自分に進言してくれる人、それも、根拠を持って発言してくれる人をそばに置くべきだろう。

弱者が強者を倒すには、まとまるしかない

戦力が整った強いチームを倒すにはどうしたらいいか? ひとつにまとまるしかない。チーム一丸となって強者に立ち向かうしかないのだ。そういうチームをつくらなければ勝てないということだ。

結果の責任は、すべてリーダーが取る

「私が責任を持ちます。結果が出なければ、私も一緒に辞めます」これは、当時のヤクルトの球団社長だった相馬和夫さんが役員たちに対して言い放った言葉である。野村は、相馬社長からリーダーが備えるべきもっとも大切な条件のひとつを教えられた。リーダー…

経営者にいちばん大切な条件は熱意

ある財界人によると、経営者に最も大事なのは「熱意」だという。「学力、知識は少し劣ってもいい。熱意の劣っている人を経営者にしてはいけない。熱意のある人には人がついてくる」。野村も、熱意のない人間には監督は務まらないと思っている。プロ野球の監…

金は追うものではなく、ついてくるもの

チームの勝利や優勝を第一の目的とできない選手は、団体競技である野球に参加する資格はない。野村は、選手たちに、チームに貢献するプレーをすればお金も稼げるようになると教えてきた。

どの選手にも希望を失わせてはいけない

監督・野村克也は、レギュラーに気を遣うことはほとんどなかった。一方、控えの選手にはいつも気を遣っていた。彼らに希望を失わせてはいけないからだ。希望がなくなると彼らの成長が止まってしまう。だから、彼らの気持ちが野球から離れないように心を配っ…

強いチームに名コーチあり

コーチの生きがい、やりがいとはなんだろうか? それは、育てた選手がレギュラーを獲り、活躍する姿を見ることと、チームが強くなっていくことではないかと思う。選手にお世辞を言ったり、機嫌を取ったりするようになったら、要注意。コーチ自身が自分の仕事…

代わりの人間はいくらでもいる

これが組織の本質である。そのことを理解し、自らを高め続ける者だけが、一流の域にたどり着ける。

戦いに勝つは易し、勝ちを守るは難し

監督として日本シリーズを連覇することはできなかった。優勝すると、やり遂げた感覚を持ち、無意識にホッとしてしまう。新しい年を迎えても、気合が入らない。勝つのは容易いが、それを守り、勝ち続けることは非常に難しい。

リーダーはクソマジメではダメ。ちょっと悪いぐらいがいい

プロ野球も、一般企業も同じ。ちょっとワルで、クセのある方が、リーダーシップを発揮するにはいい。マジメはコーチ向き。リーダーには、人望、信頼、度量、貫禄、威厳などといった人的要素や、的確な表現力も必要となる。雰囲気やオーラのようなものも必要…

おまえら、日本シリーズをどういう気持ちで見ているんだ?

野村が監督に就任したときのヤクルトは9年連続Bクラス。人気も実力も、同じ東京を本拠地とする巨人に大きく水を開けられていたが、選手たちはその悔しさを前面に出すどころか、諦めてしまっているように見えた。だから、ことあるごとに選手たちを叱咤し、他…

その試合が終わり、家に帰る車の中で私は引退を決意した

日本プロ野球史上初の3,000試合出場を達成して間もなくの1980年9月28日の阪急ブレーブス戦。4対3とリードされた8回裏、一死満塁で打席が回ってきた。最低でも外野フライを打って、同点にする自信があった。しかし、バッターボックスに向かった瞬間、監督から…

組織に「中心」がいないときは、外から連れてくるしかない

広島から阪神に移籍した金本知憲が好例。金本の加入は「中心」のなかったタイガースという組織に「中心」をもたらした。どんな状態でも試合を休まない金本が入ってきたことで、他の選手たちも甘えが許されなくなった。

「個の力」に頼ったチームは、選手の力が落ち始めるとチームの成績も低下する

個の力が揃ったチームも「勝つ」ことはできるが、「勝ち続ける」ことは難しい。団体競技で「勝ち続ける」ためには、フロント・選手を含めたチームの一体感が必要。弱いチームの共通点は「一体感に乏しい」こと。

野球とは、団体競技である。団体競技とは、選手が同じ方向を向いてプレーをすることである

何だ、当たり前じゃないかと思われるかもしれない。しかし野村はこの「当たり前のこと」を選手に浸透させるために、監督として大変な苦労をしてきた。

環境選びは慎重すぎるくらいでいい

キャッチャーは他のポジションと違い、レギュラーのイスがひとつしかない。野村は、「出場機会が得られそうなチーム」という観点で、入団テストを受ける球団を選んだ。「もし、憧れのジャイアンツのテストを受けて入団していたら、森祇晶との正捕手争いに敗…

キャッチャーとして自分の能力を高めたいなら、投手陣が弱いチームを選ぶことが大切になる

ピッチャーが好投手であるために、創意工夫をしなくても勝てるのならキャッチャーとしてこれほど楽なことはないが、楽をすれば進歩もなくなる。反対に、弱小投手陣でマスクをかぶるのは苦労が絶えないが、その苦労が人を進歩させるのだ。

自分を成長させてくれる場所を選べ

人は環境によって人生を左右される生き物。だからこそ己の身を投じる環境は、慎重に選ぶべき。「自分を成長させてくれそうな場所」や「自分の可能性を伸ばせそうな場所」を選ぶことが大切。

散らかったスリッパをきちんと揃え直した上で空きスペースを作り、きれいに自分のスリッパを置いたのは、キャッチャーのポジションを守る選手だった

南海でのプレーイング・マネージャー時代、キャンプでの全体ミーティングで、選手のスリッパの脱ぎ方をポジション別に観察したときのこと。「いかにもキャッチャーらしいな」と野村は思った。ピッチャーをリードしながら配球を考えなくてはいけないキャッチ…

「キャッチャーは監督と似ている」と思っていることがある。それは、人の力を使って自分の理想を実現しなくてはいけないという点だ

監督は選手を采配し、キャッチャーはピッチャーをリードする。だが、自分の意図どおりに動いてくれるとは限らない。ままならないことが多い中で、キャッチャーはピッチャーや他の選手をうまくリードしながら守り抜かなければならない。だから、監督を務める…

「思い切っていけ」は指示ではない

単なる精神論、応援でしかない。どうすれば思い切っていけるかという「How」を授けなければならない。

弱いチームというのはたいがい、現場とフロントの意思疎通ができていない

現場は「即戦力のピッチャーが欲しい」と要求しているのに、フロントは人気目当てで甲子園を沸かせた高校生ピッチャーを獲得にいったり、現場が足の速い野手を必要としているにもかかわらず、ろくに走れも守れもしない長距離バッターを獲ってきたりするとい…

選手の持っている力を最大限引き出してやれないのは、指導者の怠慢にほかならない。私に言わせれば、指導者失格である

選手の隠れた才能や長所を見抜き、引き出し、活かす方法を見つけるのは、指導者の責任であり、使命。

昔の監督は威厳があった。存在するだけで、周囲に緊張を強いるようなオーラがあった

かく言う野村も、ヤクルト時代を知る池山隆寛や橋上秀樹に言わせると、「ものすごく怖かった」という。宮本慎也は、野村の姿が見えなくても、気配で来たことがわかったという。空気が変わったらしい。いずれにせよ、リーダー的立場にある人間は、そこにいる…

コーチは“部分”であり、監督は“全体”である

“名コーチ、必ずしも名監督たりえず”の理由。バッティング担当、ピッチング担当、守備走塁担当などの各部分を担当するのがコーチ。各部分を掌握しながらも常に全体を見据え、どのように行動すればよいかを決断するのが監督。コーチは「判断」はしても「決断…

トップに立つ人間、すなわちリーダーの考え方が組織の浮沈のカギを握っている

組織が発展するか、それとも衰退するかは、リーダー次第。

組織を変えるためには、まずリーダーが変わらなければならない

阪神監督2年目のオールスター期間中、久万俊二郎オーナー(当時)に対し、クビを覚悟で球団の心臓である編成部の改革を迫った。野村の退団後、阪神は金本知憲や伊良部秀輝、下柳剛らをFAで獲得したほか、ドラフトでも有力選手を積極的に狙いに行くようになっ…