野村が打撃の神様・川上哲治のスイングを真似しようと見ていると、川上は前かがみになって、柄杓で水を撒くような低めの素振りを繰り返していた。なぜそんなことをするのか、実際に真似てみて気がついた。「きっと下半身の使い方を身体に覚え込ませているのだ」。ただ真似るだけではなく、その人はどうしてそうしているのか、どこがいいのか、どうすれば自分にピッタリ来るのかを考えることで、「真似る」を「学ぶ」にまで高めることができる。

- p.136
- 作者:野村克也
- 出版社:講談社
- 発売日:2013/5/21
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