人の悪口とは本来は否定的なものであるが、野村は悪口を言うか言わないかを信用度をはかるバロメーターとしても使っている。周囲との対立を極端に避ける人間は、自分の意見を押し隠したり、相手によって意見を翻したりする傾向がある。その人の本心が読み取れなければ、信用するかどうかの判断もできないではないか。もちろん悪口の内容にもよるが、ただ批判するだけでなく、十分に信用に足る意見なら、野村はいつも耳を傾けていた。
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- 作者:野村克也
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