テスト生から這い上がり、3年目にレギュラー、4年目にホームラン王になった野村だが、そこから突然打てなくなった。「練習が足りないからだ」と考え、それまで以上にバットを振ったが、結果は出ない。打てなくなった原因は、相手に研究されたことにあった。にもかかわらず、ひたすらバットを振った。つまり、見当違いの努力をしていたのだ。必要なのは、努力の方向性を変えることだったのである。努力なしに大きな仕事を成し遂げることはできないが、間違った努力は得るものが少ないだけでなく、悪癖を付けてしまう恐れがある。
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- 作者:野村克也
- 出版社:講談社
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