努力するということについて、野村は誰にも負けなかった。人の倍以上練習したし、毎夜の素振りも欠かすことはなかった。けれど、「つらい」「苦しい」などとは一切感じなかった。それどころか「楽しい」とさえ思った。なぜなら、忍耐の裏側には「一流になれば、大金を稼いで家族を楽にさせることができる」という希望があったからだ。その希望の方が、忍耐に伴う苦痛やつらさよりも、はるかに大きかったのである。
- p.46
- 作者:野村克也
- 出版社:講談社
- 発売日:2013/5/21
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努力するということについて、野村は誰にも負けなかった。人の倍以上練習したし、毎夜の素振りも欠かすことはなかった。けれど、「つらい」「苦しい」などとは一切感じなかった。それどころか「楽しい」とさえ思った。なぜなら、忍耐の裏側には「一流になれば、大金を稼いで家族を楽にさせることができる」という希望があったからだ。その希望の方が、忍耐に伴う苦痛やつらさよりも、はるかに大きかったのである。