野球人たる前に社会人たれ
いくつになっても夢があるのは、自分の可能性を信じているから。
華やか、派手な服装が大好き。「形」から入ることで「自信」を得ることもある。
「世の中、一人では生きていけない。社会は自分の思い通りに動いてくれない。一人で生きていけない以上、人間関係をうまく作る円滑さや、他人の痛みを知ることを早く身につけさせたい」。
「君たちはその好きなものを追求して、人生の道と社会の道をつなげていくべきなんだよ」。
1998年9月、そのシーズン限りでヤクルトとの契約が切れ、延長要請もなかったことから、監督退任が決定的となった。プロ野球の第一線から退くと思われた野村への注目度は、一気に低くなった。取材陣や周りの取り巻きも減り、寂しさを感じていた。
人間的な成熟が必要。まずは、一般的な社会論や常識を身につけた社会人であってほしい。野球選手として生きていられる時間は短い。
1977年、南海を退団したときに感じたこと。屈辱的な監督解任を受けて実感のこもった言葉。
天台宗僧侶で作家の今東光の話を聞いて。
その態度や発言をするのは、もう許されないという年齢は確かに存在する。
野球は人生の縮図。野球は人生そのもの。だからこそ、野球をするにあたって、明確な「こうありたい」という人生観がないといけない。
上ばかり見ていると、自分を過信したり、うぬぼれたりしていることに気がつかない。下を見れば、自分よりつらい目にあっている人、不遇な人、苦しんでいる人が大勢いることを知るはずだ。
「だからこそ、素直さや謙虚さが求められる」。
“挨拶”という漢字は、“ひらいて、せまる”という意。相手に心を開いて、すぐそばまで近づくこと。挨拶は人間関係を円滑にする第一歩である。
選手に対して、口を酸っぱくして伝えた言葉。裏方の協力があって、はじめていい成績が残せる。
自分を知り、愛することで、戦いに挑める。
「適材適所」は、リーダーにも求められる。
「何事にも段階はある。省いてはダメ。一足飛びにリーダーになって成功した例は聞いたことがない」。簡単に起業できる昨今、「組織にいたくない」「人に使われたくない」と社会経験も乏しく、技量も伴わないのに、経営者になろうとする若者が増えている。ど…
ヤクルト監督時代、中心選手として成長してきた古田敦也捕手への助言。「リーダーとして、自分の所属する組織とどのように向かい合うか。何を伝えてゆくのか。ただ技術を教えるだけなら、それほど難しくない」。
権力は地位が上がれば付く。権威は人を知り尽くすこと。「権威なくして権力はありえない」。
リーダーに求められるものは、ビジネス能力だけではない。
真の勝者とは、技術的にも、人間としても、相手より優れている。それが凡人と一流の違い。