プロとは
自分の人生を納得するまでやり遂げる。これこそが野村流の美意識であり、それを徹底した凄みを見せた。「惜しまれつつ辞めるというのはプロではない。それはアマチュアの考え方」。
監督にえこひいきされてベンチ入り、試合出場などできない。
「一球入魂」が持つ本当の意味。
二桁勝利投手や3割打者などの「有形の力」ではなく、努力やその過程など大切な「無形の力」をいつ認識するかが、「プロ」として歩む本当の道につながる。
プロセス主義の野村がヤクルトのチーム内に徹底させた基本理念。
野村が「プロ」という言葉でイメージする人。
「変化を見る目とそれに適応できる能力が必然的に求められる。常に進化を求め、貪欲に欲求、欲望を持ち続ける。限定しないこと」。
現役時代、レギュラーの座を守るために、自らに課した考え。野村は、当時まだ誰もやっていなかったデータ分析や、ピッチャーのクセを研究して相手バッテリーの配球を読むことで、技術的限界を乗り越えた。
プロは、自分の才能だけで歩んでいけるような、やさしい世界ではない。
プロは勝負にこだわりながら、観客の心を動かすプレーも求められる。その裏では、必死で“舞台”に上がっているのだ。