2016-11-18から1日間の記事一覧
「変化を見る目とそれに適応できる能力が必然的に求められる。常に進化を求め、貪欲に欲求、欲望を持ち続ける。限定しないこと」。
現役時代、レギュラーの座を守るために、自らに課した考え。野村は、当時まだ誰もやっていなかったデータ分析や、ピッチャーのクセを研究して相手バッテリーの配球を読むことで、技術的限界を乗り越えた。
プロは、自分の才能だけで歩んでいけるような、やさしい世界ではない。
プロは勝負にこだわりながら、観客の心を動かすプレーも求められる。その裏では、必死で“舞台”に上がっているのだ。
南海入団4年目。レギュラー獲得後すぐの試合中、捕球の際に親指の骨にヒビが入った。欠場すれば強肩の先輩たちにチャンスが回ってしまうとわかっていた。医者に頼み込み、ブリキの型を取って指にはめ、包帯で巻いて、何食わぬ顔で試合に出続けた。
プロ野球屈指の名選手として、多くの記録を残し続けた野村だが、2901安打、657本塁打、1988打点など、記録は歴代2位が多い。「オレらしくていい。地味で目立たない。誰にも興味をもってもらえない記録や」。