野村克也 名言集

仕事に挫折したとき、組織に悩んだとき、人生に苦しんだとき… 野村克也の言葉があるじゃないか。ノムさんの人生哲学が凝縮された名言集。

「野村の流儀 人生の教えとなる257の言葉」

本当の強さとは、どん底を見て、そこからはい上がってきた人間が持ってるもんや

真の強さとは、失敗から育まれる。

上を向いて進め、下を向いて暮らせ、過去を思い出して笑え

上ばかり見ていると、自分を過信したり、うぬぼれたりしていることに気がつかない。下を見れば、自分よりつらい目にあっている人、不遇な人、苦しんでいる人が大勢いることを知るはずだ。

35歳を超えて敵がいないということは、人間的に見込みがないことである

何かを成し遂げようとすれば、敵は当然できる。

使命感とは命を使うことだ

使命感と責任感が自分・組織・企業を伸ばす。

恥をかき続けた27年間を終わってみて、「人間は、恥ずかしさという思いに比例して進歩するものだ」と、気がついた。それが「修行」。「恥ずかしい」と感じることから進歩は始まる

27年間の現役生活を振り返って。

その人間の価値や存在感は、他人が決めるのである。人間は人の評価で生きている。自分の評価より、他人が下した評価の方が正しいのである

「だからこそ、素直さや謙虚さが求められる」。

貴い知識・本質はいつの世でも、本来、単純明快である

野村が“本の虫”である理由。

黙っていたら分からない。短い言葉でも人を感激させ、感動させることができる。まさに「言葉は力なり」。言葉がなければ、何も伝わらない

感謝の気持ちは、言葉にしてこそ伝わる。

挨拶は、人間らしく生きるための基本の心である。親に挨拶の心がないと、それは必ず子供にも表れる

“挨拶”という漢字は、“ひらいて、せまる”という意。相手に心を開いて、すぐそばまで近づくこと。挨拶は人間関係を円滑にする第一歩である。

一段階、また一段階と登っていく過程で、私は劣等感をバネにしてきた

小さいときには貧乏、プロに入ったときはテスト生、レギュラー時代は華やかなセ・リーグに対して「劣等感」を持つことで、より高みを目指した。

人間は不満がなければ成長しない

満足したら、そこで成長は止まる。

人には理想があり、欲望がある。しかし現実はうまくいかない。だから歯がゆい。ボヤキは高いところに登ろうとする意欲の変形だ

“ボヤキのノムさん”がボヤく理由。「ボヤキは悪い行為ではない。裏を返せば、理想を持っているということ。理想が高ければ高いほどボヤキたくなる」。

“勘”というと一般的になんとなく曖昧なもののように思われるけど、習練を積み重ねたところから生まれる“勘”というものは、科学も及ばない正確性、適格性を持っている。そこに人間の習練の尊さというものがある

1963年に当時の日本新記録となる52号本塁打を放った試合を振り返って。「第六感」と「ヤマ勘」は違う。第六感は執念のヒラメキ。

不器用を恥じることはない。不器用なことを認識していれば、熱心に研究するし、対策を考える

「自分は不器用だから、人が100回素振りをすれば、200回、300回やらなければならない、と言い聞かせてやってきた。それだけに不器用な人間の苦労もわかるつもりだし、逆に器用に生きようとする人たちの弱さも見てきた」。

「自分は運が悪いなあ」と嘆くのは簡単。しかし不運(よい結果が出ない)には必ず、それなりの理由がある。そして幸運にも、それ相当の過程がある

負けに不思議の負けはない。

極秘事項は、どんな親しい友人にもしゃべってはいけない。自分の口から漏らしたことは、必ず広がる

南海時代、苦手にしていた稲尾和久の投球を16ミリカメラで撮影してクセを発見。対戦打率を3割近くまで上げた。だが、南海の同僚でエースの杉浦忠にその話をしたところ、稲尾に伝わってしまい、稲尾はクセを修正してしまった。せっかくのデータ収集、エース攻…

「野村の考え」の根本にあるのは、目に見えない力、無形の力を引き出し、育てること。結果は大切だが、すべてではない。結果の裏側にあるプロセスこそ重視すべき

「我々は結果主義。よい結果を出すためには、どれだけの準備をしたか、で決まる」。

感性は執念と向上心から湧き出る

野球をやる上で、野村は「感性」を重要視している。これは生きる上で必要不可欠なことでもあるという。感じる心がない、薄い人は、どの世界でも疎まれる。

感性は生きる力なり。感性なくして人間は生きられない

「感性を磨くには、感動体験を味わうこと。できる限り本物、一級品、最高級のものに接すること」。

地位が人をつくり、環境が人を育てる

四番に据えれば、四番らしい風格や自信がみなぎってプレーにも好影響を与える。ヤクルト時代の古田敦也が好例。

自己を過大評価した瞬間から、思考の硬直が始まる

常に挑戦し、変化を恐れない。これぞ一流。

見てくれない人(批判する人・無視する人)が1000人いれば、見ている人(評価してくれる人・気にかけてくれる人)も1000人いるものや

野村の人生訓。現役引退後、解説や講演の依頼が殺到。ところが、元来口べたな野村は自信を失いかけた。尊敬する評論家・草柳大蔵に相談し、「いい評論、いい解説をしていれば必ず誰かが見て、評価してくれる。だから絶対に手を抜いてはいけません」と諭され…

人間は、どんなときにも手を抜いてはいけないんだ。どこで誰が評価してくれているかわからないぞ

野村の人生訓。講演のときにいつも話すこと。野村が「人生の師」と仰ぐ評論家・草柳大蔵からアドバイスされた。

ワシの辞書に満足・妥協・限定はないんや

満足が妥協を呼び、妥協が限定を呼ぶ。一流は決して、現状に満足も妥協も限定もしない。

念ずれば花開く

色紙に添える座右の銘。「念」は「思」よりも強い言葉。どんな選手にも目的を明確にさせ、強い動機づけを持て、と説いた。

本当は新庄にキャッチャーをさせたかったんや

「身体能力に優れた新庄に、配球とは何か、相手がどんなリードをしてくるのかを体験の中で知って欲しかった。新庄は考える習慣に欠けていたから。でも、キャッチャーをやらせると嫌がると思ったから、ピッチャーをやらせたんだよ」。

投手は、「打てるもんなら打ってみろ、絶対抑えてやる」というプラス思考がいい。捕手は危機管理のマイナス思考。プラスとマイナスだから、バッテリーと言われるのだ

打者に向かっていく闘争心がないと、投手は大成できない。捕手は、目配り、気配り、思いやりと危機管理のマイナス思考。

アンパイアは、ピッチャーの女房役のキャッチャーにとって、言ってみれば夫の上司みたいなもの

「あそこの奥さんは感じがいい」と思わせるのがキャッチャー=女房の当然のつとめ。

キャッチャーは9人の中で唯一、反対方向を向いている

捕手は、チームで唯一、他の選手と逆方向を向いている。しかも一人だけ座っている。異なる視点と視野で、戦局を見つめているのだ。「捕手は守りにおける監督の分身」。

キャッチャーは「捕手」と書く。言うまでもなく球を捕る「捕」だが、私はもうひとつ、投手を助け、足りないところを補う「補」であると思っている

投手を支え、監督の意図を読み取り、試合中に欠けたり忘れたりしそうなことを、補ってくれる存在。