野村克也 名言集

仕事に挫折したとき、組織に悩んだとき、人生に苦しんだとき… 野村克也の言葉があるじゃないか。ノムさんの人生哲学が凝縮された名言集。

「野村の流儀 人生の教えとなる257の言葉」

捕手でボヤかないヤツは信用しない。ボヤキだして一人前

捕手は頭の中で完全試合を描く。だが現実はそうはいかない。理想と現実のギャップを埋めるボヤキこそ、捕手の必須条件。

裏方さんと仲良くするように心がけ、感謝の気持ちを忘れないように接しろ

選手に対して、口を酸っぱくして伝えた言葉。裏方の協力があって、はじめていい成績が残せる。

チームに受け継がれていく財産が「伝統」という何事にも替えがたい無形の力になる

優勝やタイトルという好結果が、そのチームに自信と誇りをもたらし、熟成されると、風格になっていく。それこそが伝統の重みであり、V9時代の巨人がこれにあたる。

ベンチで笑いを提供する選手には、たとえ試合に出場しなくても、それなりのプラスの点が与えられた。代打で一安打するのと同じぐらいの価値があった

南海ベンチを盛り上げた大塚徹について。大塚はベンチで常に明るく、「ヤジらせたら天下一品」と評された。南海が大塚を解雇しようとしたとき、野村は「やめてくれ、役に立っている。立派に試合に参加しているんや」と反対。解雇を撤回させた。

組織のトップを走らなくても二番手、三番手でキチンと仕事をしてくれる。そういう人材もまた必要なのです

個々に役割がある。全員が四番ではダメ。「野球はドラマ。脇役がいて、主役が活きる」。

選手を育てるのは「責任感を持たせる」こと。並の選手が「責任感」を持って、初めて主力選手の仲間入りができる。さらに「自覚」が一流選手に押し上げるエネルギーとなる。その底辺にあるのが「信頼感」

責任感は、自分に与えられた役割に対する「ここまではやらなければいけない」という気持ち。自覚は、「ここまでやって当然」という気持ち。個ではなく、“チーム(組織)の中の個”を意識している。信頼感とは、監督と選手がお互いに持つ信頼感、選手が自分自…

9つのポジション、9つの打順にはすべて役割がある

野球でもビジネスでも、「組織」の構成メンバーには必ず役割がある。その人の個性と能力に応じて役割を与える、あてはめることが「適材適所」。

あと一歩の努力

「みんな並の努力はする。あと一歩やるか、あと一回、あと一時間やるかどうかが勝負」。

敵は我に在り

並の選手と一流選手の違い。並の選手にとって、敵は「相手」だが、一流選手にとって敵は「自分の中」にある。一流選手と超一流選手の違いは、一流選手は「勝ちパターンを持っている」のに対し、超一流選手は「勝ちパターンが多い」。常に進化・変化していて…

先々を考えた負け方をしろ

強いチームはこれができる。

エースと四番はチームの鑑でなくてはならない。エースと呼ばれる投手は、単に二十勝するだけではいけない。負けないことも条件なのだ

結果だけではなく、野球に取り組む姿勢や普段の生活態度にいたるまで、他の選手の模範となるべき。それでこそ、チームの中心選手。

君らの仕事は、いつも言っているように勝つことだ。職業はプロ野球選手だが、仕事は勝つこと

「君たちは一年ごとの契約で生き延びている。球団は渋いかもしれないが、関係ない。まずチームに貸しをつくって、会社を儲けさせろ。そうせな、金は取れん」。

勇気に支えられた使命感を忘れないでくれ。ここ一番というとき、覚悟を決めるのは勇気だ。三振してくるのも勇気だ

選手によくかける言葉。自らを奮い立たせる勇気こそ、決断を後押しするエネルギーだ。

おまえたち、意気込みだけで勝てるならこんな楽なことはないよ。敵も日一日と進歩しているんだよ。おまえたちも変わらなくてはダメだ。進歩とは変わることなんだ

選手に言い続けたこと。現状に慣れず、満足せず、常に進歩すること。変わること。

感じる人間が勝ちを制する。感じないことは罪であり、鈍感は人間最大の悪

「考えるスポーツである野球において、感じなければ、話にならん。成長しない」。

オレは野球をやっている。長嶋はゲームをやっている。そんな野球には負けられない

長嶋茂雄へのライバル心は強い。「ライバルは必要。“あいつらには負けたくない”という気持ちやな。オレにとっては長嶋と王」。

選手では王に負けたが、監督ではいろんな面で勝ちたい

王貞治と野村は、現役では本塁打数や打点を争い、監督では優勝回数、日本一の回数で切磋琢磨した。

勝負事はカッとした方が負け

感情に走ると、勝利はこぼれ落ちる。

打点1も、失点1も価値は同じなのに、守備が軽視されている。勝利打点というものがあるが、勝利守備もあっていい

ビジネスでも、華々しく稼ぐ部署の裏には、それをサポートする部署がある。目に見える数字や結果だけで判断してはいけない。

大勢が横一列に並んでスタートする競争世界で、弱者が人と同じことをやっていては、勝てないのは当たり前

弱いチーム、戦力が低いチームを補うのが、データ分析だった。

ピーンとくる勘と、感性が働いてのヤマカン、そして全体を判断するところから生まれる観。この3つの「カン」を養うことで、喜びという「歓」がもたらされる

「カン」という漢字の種類はたくさんある。野村は辞書を引いてみて気づいた。「全部異なる意味やけど、全部野球に必要なこと」。

弱者でも、方法論次第、考え方次第で強者を倒せる。それが野球だ

弱いチームを率いてきた野村が目指す野球。野球は頭でするもの。ノーヒットでも点を取る方法がある。長打はなくても機動力と小技で点は取れる。巨人のような戦力がなくても、ないなりに戦う方法はある。これが野村戦法。

戦いには、気機(指揮官と兵士の闘志)、地機(天地の利)、事機(組織としてのまとまり)、力機(戦力)の四つがある。その中で最も重視されるのは、気機である

闘志、やる気があるからこそ、人は大きな目標に向かえる。

勝っているときはパンツも替えない

勝つと同じパンツをずっとはいた。スポーツ選手をはじめ勝負に生きる人間は、ゲンをかつぐ。球場に来た記者にも「オマエが来ると負ける」とボヤくこともあった。

「思い切りのよいバッティング」というのは、実は二つある。「狙い球を思い切り絞って振る」あるいは「勇気を持って捨てる」

絞ると捨てる。捨てる勇気を持つことが大事。

待ち構えている相手に攻めるばかりで引くことを知らなければ、必ずと言っていいほど失敗する

引くことも、守って攻めることのひとつ。「専守防御が基本戦略。守って攻める」。点を取られなければ負けない。だからこそ守りは重要。

データはゴミにも薬にもなる

データを取る側、受ける側の考え方ひとつである。

大事なのは予測能力。「読み」である。私に言わせると、「読み」は ①見る ②知る ③疑う ④決める ⑤謀る の五つの段階から成り立っている。この能力を身につけられるかどうかは、「他人よりいかに多く感じる力に優れているか」にかかっている

野村は「感性」の力を信じている。それを磨くためにあらゆる本を読み、さまざまな人の話を聴きに行く。

どの世界も、商売も一緒。頭です。サッカーは走りながら考えることができる。野球はじっと考えてからプレーする

楽天の三木谷浩史オーナーに話した言葉。

戦いはだまし合い、心理戦である

相手の心理、味方の心理、どちらも重要。