野村克也 名言集

仕事に挫折したとき、組織に悩んだとき、人生に苦しんだとき… 野村克也の言葉があるじゃないか。ノムさんの人生哲学が凝縮された名言集。

組織・チーム

いままで手を焼いた選手は3人。江夏と江本と門田。南海3悪人。この連中から比べたら、他の選手は子供みたいなもんや

南海のエースとして活躍した江夏豊、江本孟紀、主砲の門田博光を評して。手がかかる子ほど可愛いもの。そして個性豊か。結果を出す才能もあふれていた。「オレはこの3人に育ててもらったと感謝している」。

負けない戦い方。弱いチームにはこれしかない

戦力が不足しているなら、点をやらないこと。守備に重点を置くこと。

自分との戦いなくして「成長」はない。その戦いには、知識の導入が不可欠であると同時に、しつけ教育によってルールの大切さをわかってもらうことが必要

「選手教育の第一歩は、ルール感覚。秩序感覚を植えつけること」。

キャッチボールでは相手が捕球しやすいように、正確に投げる。その気持ちを持たなければ、仕事は決して広がっていかない

「キャッチボールとは思いやりの心でするもの。受けやすい、投げやすい所に投げる。これこそがチームワークの原点」。

「個」の枠を乗り越えたところにこそ、本当の生きる喜びがあると信じている

人間の本当の価値は損得を超えたところにある。「何度も言う。それが私の信念である」。

先頭に立つ者がマイナス因子を持ち込めば、そこを起点に組織はあっという間に崩壊する

エースや四番は、自分が周囲に与える影響力を十分に意識すべし。

チームのために戦うこと。チームを愛することは、人として生まれ生きていくうちに本来は自然と身に付いてくるべきもの

チームは人と人がつながった組織。これは親兄弟、家族や故郷を大切にする思いの延長線上にあると信じている。団体競技は、つながりとまとまり。人としてのルールも学べる。「子供は絶対に団体競技をやるべき」。

ベテランが若手以上に自らの可能性を探り日々精進する姿は、生きる教科書

楽天・山崎武司の奮闘を見て、ベテランの存在する意義を感じた。漫然と過ごすのではなく、常に挑戦している姿を見て、若手は尊敬し、やる気を高める。

仕事をする上で必要な三つの能力がある。「問題分析能力」、「人間関係能力」、そして最後のひとつが「未来想像能力」である

組織を仕切る仕事において求められるもの。

どうだ、革命を起こしてみないか

江夏豊を説得した際の言葉。「大リーグを見てみい。これからは絶対に投手は分業制になる。だから、先駆者としてリリーフの分野で革命を起こしてみないか」とリリーフ転向を促した。阪神の大エースだった江夏が南海に移籍した1976年当時、先発&完投がエース…

使命感とは命を使うことだ

使命感と責任感が自分・組織・企業を伸ばす。

地位が人をつくり、環境が人を育てる

四番に据えれば、四番らしい風格や自信がみなぎってプレーにも好影響を与える。ヤクルト時代の古田敦也が好例。

キャッチャーは9人の中で唯一、反対方向を向いている

捕手は、チームで唯一、他の選手と逆方向を向いている。しかも一人だけ座っている。異なる視点と視野で、戦局を見つめているのだ。「捕手は守りにおける監督の分身」。

キャッチャーは「捕手」と書く。言うまでもなく球を捕る「捕」だが、私はもうひとつ、投手を助け、足りないところを補う「補」であると思っている

投手を支え、監督の意図を読み取り、試合中に欠けたり忘れたりしそうなことを、補ってくれる存在。

裏方さんと仲良くするように心がけ、感謝の気持ちを忘れないように接しろ

選手に対して、口を酸っぱくして伝えた言葉。裏方の協力があって、はじめていい成績が残せる。

チームに受け継がれていく財産が「伝統」という何事にも替えがたい無形の力になる

優勝やタイトルという好結果が、そのチームに自信と誇りをもたらし、熟成されると、風格になっていく。それこそが伝統の重みであり、V9時代の巨人がこれにあたる。

ベンチで笑いを提供する選手には、たとえ試合に出場しなくても、それなりのプラスの点が与えられた。代打で一安打するのと同じぐらいの価値があった

南海ベンチを盛り上げた大塚徹について。大塚はベンチで常に明るく、「ヤジらせたら天下一品」と評された。南海が大塚を解雇しようとしたとき、野村は「やめてくれ、役に立っている。立派に試合に参加しているんや」と反対。解雇を撤回させた。

組織のトップを走らなくても二番手、三番手でキチンと仕事をしてくれる。そういう人材もまた必要なのです

個々に役割がある。全員が四番ではダメ。「野球はドラマ。脇役がいて、主役が活きる」。

選手を育てるのは「責任感を持たせる」こと。並の選手が「責任感」を持って、初めて主力選手の仲間入りができる。さらに「自覚」が一流選手に押し上げるエネルギーとなる。その底辺にあるのが「信頼感」

責任感は、自分に与えられた役割に対する「ここまではやらなければいけない」という気持ち。自覚は、「ここまでやって当然」という気持ち。個ではなく、“チーム(組織)の中の個”を意識している。信頼感とは、監督と選手がお互いに持つ信頼感、選手が自分自…

9つのポジション、9つの打順にはすべて役割がある

野球でもビジネスでも、「組織」の構成メンバーには必ず役割がある。その人の個性と能力に応じて役割を与える、あてはめることが「適材適所」。

先々を考えた負け方をしろ

強いチームはこれができる。

エースと四番はチームの鑑でなくてはならない。エースと呼ばれる投手は、単に二十勝するだけではいけない。負けないことも条件なのだ

結果だけではなく、野球に取り組む姿勢や普段の生活態度にいたるまで、他の選手の模範となるべき。それでこそ、チームの中心選手。

打点1も、失点1も価値は同じなのに、守備が軽視されている。勝利打点というものがあるが、勝利守備もあっていい

ビジネスでも、華々しく稼ぐ部署の裏には、それをサポートする部署がある。目に見える数字や結果だけで判断してはいけない。

大勢が横一列に並んでスタートする競争世界で、弱者が人と同じことをやっていては、勝てないのは当たり前

弱いチーム、戦力が低いチームを補うのが、データ分析だった。

戦いには、気機(指揮官と兵士の闘志)、地機(天地の利)、事機(組織としてのまとまり)、力機(戦力)の四つがある。その中で最も重視されるのは、気機である

闘志、やる気があるからこそ、人は大きな目標に向かえる。

勝つことへの執着心こそ、チーム愛の原点

チームが強いと、チーム愛は自然と育つ。勝つことで結束が強まる。

優勝というのは強いか、弱いかで決まるんじゃない。優勝するにふさわしいかどうかで決まる

勝利に対する野村の考え。イギリスのことわざにも「ダービーは常に強い馬が勝つ。だが、いちばん強い馬が勝つとは限らない」というものがある。

「男と生まれてなってみたいものは、オーケストラの指揮者と連合艦隊の司令長官、それとプロ野球の監督である」という言葉がある。男子憧れの職業や。ワシは監督になれたんやから幸せやな

指揮者、司令長官、監督は、千差万別の個性や才能、力量ある者を集めて、訓練し、統御し、自在に指揮してひとつの完成品を作り上げるのが仕事。そこに男の生きがいがある。

私は情にもろい。だから選手、コーチとは一切食事には行かない。いざというとき、切れんからな

勝負のとき、情がからむと冷静な判断ができなくなるから。指揮官は孤独なのだ。

選手の仲人はしない

引き受けない理由は、野村が結婚したとき、当時南海の鶴岡一人監督に仲人をしてもらえず、自分の結婚式の1週間後、別の選手の結婚式では、鶴岡監督が仲人をしたことを知り、ショックを受けたから。「本当に悲しかった。選手に同じ思いをさせたくない。あの選…