野村克也 名言集

仕事に挫折したとき、組織に悩んだとき、人生に苦しんだとき… 野村克也の言葉があるじゃないか。ノムさんの人生哲学が凝縮された名言集。

人生の原則

年齢は限界を決める指標にはならない

「何歳だからこれはできない」。このような発想は、その人の人生の可能性を狭めることになる。

人間性を磨くことが、よい仕事につながる。人間性を磨くことが、人生の充実につながる

V9の巨人を率いた名将・川上哲治は、細かい技術指導はコーチに任せ、本人は選手の人間教育に力を入れたことで知られる。人間教育、社会教育をはじめ、生活面、礼儀作法の細かい部分にも及んだという。王、長嶋も特別扱いされず、厳しい指導を受けた。

風格とは、容姿や態度に自然に現れる品格である

風格はその人の内面から生まれる。これがあることで、周囲の人々の気持ちを捉えて動かすことができる。同じことを話しても、風格がある人が語るのと、ない人が語るのでは、その説得力はまったく変わってくる。

人生から逃げたとき、人は敗者になる

誰にでも試練や苦難がある。それを乗り越えた経験は、人生の財産となる。試練を歓迎するくらいの気持ちで向き合えば、人生は拓けるものだ。

「足りないもの」が明確になると、人は劇的に変わる

“再生工場”と言われた野村は、他のチームで活躍できなかった選手たちに「足りないもの」に気づくきっかけを与え続けた。

迷ったら原点、不調になったら原点

スポーツの原点は、走ることにある。野村自身、スランプに陥ったときはグラウンドをよく走った。

本質を知れば、自分を正しい方向へ導ける

本質がわかっていない人間は、間違った方向に努力してしまう。本質がわかっている人間は、自分を正しい方向に導くことができる。たとえば、「ピッチングの本質はコントロール」。

豊かになった現代社会には、娯楽の誘惑があふれるほどある。その誘惑を断ち切る強さがないと、何かの道を究めることはできない

「もっと頑張ればよかった」。プロ野球の世界で活躍できず、途中で辞めることになった選手は、みんな最後に同じことを言う。

夢は必ず叶う。叶わないのは努力が足りないからだ

人間というものは、好きなことなら、夢があるのなら、いくらでも頑張り続けることができる。

固定観念は悪。先入観は罪

知識は多いほどいい。知らないより知っていた方がずっといい。けれども、固定観念と先入観は百害あって一利なしである。野村は、現役時代も、監督になってからも、少しでもいいと思ったものは何でも試してみる一方、自分に合わないと思ったら、「よい」とさ…

鋭い感性を持たない人間は、少なくとも持とうとしない人間は、絶対に一流にはなれない

一流選手はみな、小事に気づく感性に優れている。これには例外がない。

「一」を大事にせよ

「一」ははじまりであり、基本であり、本質、すべてでもある。「一」がなければ「二」も「三」もない。「一」の内容と結果がその後を決めるのだ。

耳は大なるべく、口は小なるべし

耳は教養や知識を入れるために大きく開いておき、口はしゃべりすぎないよう、控えめに小さくしておくべし、という意味。これが逆になっている人も少なくない。

男のケチは人格を疑われる

ケチの人は、人徳を得られない。いくら卓越した知識、理論、技術を持っていたとしても、周りの人間はついてはいかない。人間性や人望などを含めたトータルな人間としての魅力が、リーダーには必要不可欠。

自問自答できる人間は、絶対に伸びる

なぜ、うまくいかなかったのか。何がいけなかったのか。どうすればうまくいくのか。そのためには何をすればいいのか。

一人前になれば、周囲からの要求は当然高くなる

それまでと同じことをしていては、周囲は満足してくれない。いきおい、周囲は厳しく接するようになる。

人間は、「無視、称賛、非難」の順で試される

箸にも棒にもかからず、まったくお話にならない時期は「無視」。少し見込みが出てきたら「称賛」。そして、組織の中心を担うような存在になったと認めたら「非難」する。野村はそうして選手に接してきた。これは、野村自身が南海の鶴岡一人監督にそのように…

褒められているうちは半人前と自覚せよ

「褒めておだてるのは、そうしなければ自ら動こうとする意欲が引き出されないからである」。一人前になれば、褒められなくても自分の意思でさらなる高みを目指そうとする。

心が変われば態度が変わる。態度が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。運命が変われば人生が変わる

野村の好きな言葉。意識が変わることで野球観が変わり、野球観が変われば、日頃の行いや野球に対する取り組み方が変わる。取り組み方が変われば、プレーの質が高まり評価も上がる。それが個人タイトルやチームの優勝につながり、結果としてその選手の運命と…

技術を磨く前に人間を磨け

「技術を伸ばしたい」者に野村がいう言葉。選手として一流である前に、人間として一流であらねばならない。

「なぜ」にはじまり、「なぜ」に終わる

「なぜ」と問うからこそ、考え、創意工夫し、試行錯誤する。「なぜ」という疑問を常に抱き、理由を考え、修正することで、もうひとつ上のレベルに上がることができる。

「失敗」と書いて「せいちょう」と読む

人間は、失敗してはじめて自分の間違いやいたらなさに気づく。そして「どうして失敗したのか」「何がいけなかったのか」と反省し、「どうすればうまくいくのか」「何をすればいいのか」を真剣に考える。この過程で人間は成長するのである。

難しさを知ってこそ、真のやさしさにたどりつくことができる

本を書くときは、内容が難しければ難しいほど、簡単にやさしく書かなければならない。しかし、簡単にやさしく書くためには、難しさを知らなければならない。野球も同じ。

楽をしようと考えると、ろくなことがない

ヤクルト監督時代は、ミーティングで板書したことを選手たちにノートをとらせていたが、阪神では板書が面倒で、最初から印刷したテキストを配った。これが大失敗で、選手たちの頭に何も残らなかったことから。

努力に即効性はない。でも、努力は裏切らない

努力は続けていれば、いつかは必ず実を結ぶ。テスト生から三冠王まで上り詰めた野村自身が何よりの証拠。実を結ばないのは、「努力即好結果」と期待するから。

「真似る」を「学ぶ」まで進めよ

野村が打撃の神様・川上哲治のスイングを真似しようと見ていると、川上は前かがみになって、柄杓で水を撒くような低めの素振りを繰り返していた。なぜそんなことをするのか、実際に真似てみて気がついた。「きっと下半身の使い方を身体に覚え込ませているの…

教えてもらうより、覚えろ

コーチがいくら懇切丁寧に指導しても、自分から「覚えよう」という意識、姿勢がなければ身につかない。

覚悟に勝る決断なし

どんな結果が出ようと、責任はすべて自分が引き受ける。それまでの野球人生を台無しにしかねないものであってもかまわない。そう覚悟を決めてしまえば、人間は意外に身軽になれるものだ。

人間というのは基本的には怠惰なものだ。必要がなければ努力はしたくない。「こうなりたい」「これがしたい」という明確な目標や夢があるからこそ、がんばることができる

目標、夢とはつまり「動機づけ」。これが弱ければ、いくら高い潜在能力と可能性を秘めていようと、永遠に眠ったままということになりかねない。目標や夢が物事に取り組むための意欲と情熱を引き出すのだ。

苦労とは、「しなくてもいいこと」で苦しむことをいう

野村が野球の練習を「つらい」とか「苦しい」などと感じなかった理由。野村は自ら望んでプロの世界に足を踏み入れた。だから、どんなにつらくても「苦労」だとは思わなかったのである。向上するためには苦痛が伴う。しかし、自分で選んだ道であるならば、そ…