挫折したときに、初めて気づくことが多々ある。反省、研究をしたことで、初めて謙虚になれる。挫折を経験し、苦難を乗り越えたことによって強くなり、大成することができる。
人間は生まれてきたからには、幸せをつかみ取らないといけない。監督時代、キャンプのミーティングでは、野球理論よりも人間学、人生訓の方が多かった。
楽天の監督をクビになったとき、球団から「監督ももう74歳ですからねぇ」と肩たたきされた。74歳でも野球に関しては誰にも負けない自負があったが、40代の球団幹部には理解されなかった。日本に「年寄り引っ込め」という風潮があるのは困ったものだ、と野村…
「外野手出身で名将、知将と呼ばれた監督を聞いたことがない」。監督というのは、現役時代の経験がベースになる。野球の大事なことは全部内野でやっていて、外野手は考えることがほとんどないのが理由という。プロ入りからずっと外野手で日本一の監督になっ…
野球はゲームセットまで何が起きるかわからない。ベンチが勝ったというムードになったときが一番危ない。監督は「まだ試合は終わってないぞ!」と選手を引き締めるようでないといけないし、野村はそれを意図的にやっていた。
プロ野球も、一般企業も同じ。ちょっとワルで、クセのある方が、リーダーシップを発揮するにはいい。マジメはコーチ向き。リーダーには、人望、信頼、度量、貫禄、威厳などといった人的要素や、的確な表現力も必要となる。雰囲気やオーラのようなものも必要…
失敗ほど人を成長させるものはない。どうして失敗したのか、何がいけなかったのか。欠点や弱点を克服するために、頭を使い、知恵を振り絞り、創意工夫する。その試行錯誤の過程で、人は成長するのである。
躾(しつけ)の目的は、自分で自分を支配できる人間、すなわちセルフコントロールができる人間をつくることにある。自分で自分をコントロールできてはじめて、人間は何がしかの物事を成すことができる。
何でも与えられ、教えられ、「こうしなさい」と指示を出されれば、そうされるのが当たり前だと何の疑問も抱かず、自分から問題を探し出し、自主的に物事に取り組もうという気など起きるわけがない。依頼心が強ければ強いほど、感性を鈍らせ、思考能力を衰え…
コントロールに不安がある投手なら、「最低5球続けてコースに投げられるまでは練習をやめない」というように、自分なりの課題を課しながら練習を行うべきなのに、たいがいの選手はそこに気がついていない。何の工夫もせず、ノルマをこなすかのように漠然と投…
1990年2月、野村がヤクルトの監督に就任してはじめてのユマキャンプ。全選手を集めたミーティングで、野村は野球の技術論・戦術論の話を一切せず、人間として生きる上での人生訓を選手たちに説いた。身体を動かしての技術の習得も非常に大切だが、その選手が…
限界を感じたところでいかに刺激するか。あと一歩の努力をするかしないかで人生は決まる。