野村克也 名言集

仕事に挫折したとき、組織に悩んだとき、人生に苦しんだとき… 野村克也の言葉があるじゃないか。ノムさんの人生哲学が凝縮された名言集。

組織・チーム

戦いに勝つは易し、勝ちを守るは難し

監督として日本シリーズを連覇することはできなかった。優勝すると、やり遂げた感覚を持ち、無意識にホッとしてしまう。新しい年を迎えても、気合が入らない。勝つのは容易いが、それを守り、勝ち続けることは非常に難しい。

リーダーはクソマジメではダメ。ちょっと悪いぐらいがいい

プロ野球も、一般企業も同じ。ちょっとワルで、クセのある方が、リーダーシップを発揮するにはいい。マジメはコーチ向き。リーダーには、人望、信頼、度量、貫禄、威厳などといった人的要素や、的確な表現力も必要となる。雰囲気やオーラのようなものも必要…

おまえら、日本シリーズをどういう気持ちで見ているんだ?

野村が監督に就任したときのヤクルトは9年連続Bクラス。人気も実力も、同じ東京を本拠地とする巨人に大きく水を開けられていたが、選手たちはその悔しさを前面に出すどころか、諦めてしまっているように見えた。だから、ことあるごとに選手たちを叱咤し、他…

その試合が終わり、家に帰る車の中で私は引退を決意した

日本プロ野球史上初の3,000試合出場を達成して間もなくの1980年9月28日の阪急ブレーブス戦。4対3とリードされた8回裏、一死満塁で打席が回ってきた。最低でも外野フライを打って、同点にする自信があった。しかし、バッターボックスに向かった瞬間、監督から…

組織に「中心」がいないときは、外から連れてくるしかない

広島から阪神に移籍した金本知憲が好例。金本の加入は「中心」のなかったタイガースという組織に「中心」をもたらした。どんな状態でも試合を休まない金本が入ってきたことで、他の選手たちも甘えが許されなくなった。

「個の力」に頼ったチームは、選手の力が落ち始めるとチームの成績も低下する

個の力が揃ったチームも「勝つ」ことはできるが、「勝ち続ける」ことは難しい。団体競技で「勝ち続ける」ためには、フロント・選手を含めたチームの一体感が必要。弱いチームの共通点は「一体感に乏しい」こと。

野球とは、団体競技である。団体競技とは、選手が同じ方向を向いてプレーをすることである

何だ、当たり前じゃないかと思われるかもしれない。しかし野村はこの「当たり前のこと」を選手に浸透させるために、監督として大変な苦労をしてきた。

環境選びは慎重すぎるくらいでいい

キャッチャーは他のポジションと違い、レギュラーのイスがひとつしかない。野村は、「出場機会が得られそうなチーム」という観点で、入団テストを受ける球団を選んだ。「もし、憧れのジャイアンツのテストを受けて入団していたら、森祇晶との正捕手争いに敗…

キャッチャーとして自分の能力を高めたいなら、投手陣が弱いチームを選ぶことが大切になる

ピッチャーが好投手であるために、創意工夫をしなくても勝てるのならキャッチャーとしてこれほど楽なことはないが、楽をすれば進歩もなくなる。反対に、弱小投手陣でマスクをかぶるのは苦労が絶えないが、その苦労が人を進歩させるのだ。

自分を成長させてくれる場所を選べ

人は環境によって人生を左右される生き物。だからこそ己の身を投じる環境は、慎重に選ぶべき。「自分を成長させてくれそうな場所」や「自分の可能性を伸ばせそうな場所」を選ぶことが大切。

散らかったスリッパをきちんと揃え直した上で空きスペースを作り、きれいに自分のスリッパを置いたのは、キャッチャーのポジションを守る選手だった

南海でのプレーイング・マネージャー時代、キャンプでの全体ミーティングで、選手のスリッパの脱ぎ方をポジション別に観察したときのこと。「いかにもキャッチャーらしいな」と野村は思った。ピッチャーをリードしながら配球を考えなくてはいけないキャッチ…

「キャッチャーは監督と似ている」と思っていることがある。それは、人の力を使って自分の理想を実現しなくてはいけないという点だ

監督は選手を采配し、キャッチャーはピッチャーをリードする。だが、自分の意図どおりに動いてくれるとは限らない。ままならないことが多い中で、キャッチャーはピッチャーや他の選手をうまくリードしながら守り抜かなければならない。だから、監督を務める…

「思い切っていけ」は指示ではない

単なる精神論、応援でしかない。どうすれば思い切っていけるかという「How」を授けなければならない。

弱いチームというのはたいがい、現場とフロントの意思疎通ができていない

現場は「即戦力のピッチャーが欲しい」と要求しているのに、フロントは人気目当てで甲子園を沸かせた高校生ピッチャーを獲得にいったり、現場が足の速い野手を必要としているにもかかわらず、ろくに走れも守れもしない長距離バッターを獲ってきたりするとい…

選手の持っている力を最大限引き出してやれないのは、指導者の怠慢にほかならない。私に言わせれば、指導者失格である

選手の隠れた才能や長所を見抜き、引き出し、活かす方法を見つけるのは、指導者の責任であり、使命。

昔の監督は威厳があった。存在するだけで、周囲に緊張を強いるようなオーラがあった

かく言う野村も、ヤクルト時代を知る池山隆寛や橋上秀樹に言わせると、「ものすごく怖かった」という。宮本慎也は、野村の姿が見えなくても、気配で来たことがわかったという。空気が変わったらしい。いずれにせよ、リーダー的立場にある人間は、そこにいる…

コーチは“部分”であり、監督は“全体”である

“名コーチ、必ずしも名監督たりえず”の理由。バッティング担当、ピッチング担当、守備走塁担当などの各部分を担当するのがコーチ。各部分を掌握しながらも常に全体を見据え、どのように行動すればよいかを決断するのが監督。コーチは「判断」はしても「決断…

トップに立つ人間、すなわちリーダーの考え方が組織の浮沈のカギを握っている

組織が発展するか、それとも衰退するかは、リーダー次第。

組織を変えるためには、まずリーダーが変わらなければならない

阪神監督2年目のオールスター期間中、久万俊二郎オーナー(当時)に対し、クビを覚悟で球団の心臓である編成部の改革を迫った。野村の退団後、阪神は金本知憲や伊良部秀輝、下柳剛らをFAで獲得したほか、ドラフトでも有力選手を積極的に狙いに行くようになっ…

チームのために犠牲になっても評価されないのであれば、選手が個人成績だけを追求するようになるのは当たり前

誰かの犠牲によって勝利をおさめたとき、それを正当に評価してやることが非常に大切。

「すべての部下と平等に接する」ことで士気が保たれる

監督をしているとき、自分のチームの選手とはプライベートでも食事に行かないと決めていた。選手の中に「自分は誘われなかった」と気分を害する選手が必ず現れるからである。それはやがて監督批判となり、選手もやる気を失っていく。チームにとって大きな損…

今まで私が監督をつとめた南海、ヤクルト、阪神、楽天の4チームには共通点がある。それは、「どのチームも最下位になったとき私に監督就任を依頼してきた」ということである

どのチームにおいても野村が真っ先に行ったのが「意識改革」「選手に気づきを与えること」。

「フォア・ザ・チーム」とは、必ずしも「自分が打つ」「自分が勝ち星をあげる」ということではない

フォア・ザ・チームとは、「チームのために自分はどのように役立てばいいのか」を常に念頭に置き、実践すること。それができる人間が多ければ多いほど、組織は強くなる。

組織の中心を担う人間は、ほかの人間の手本になれ

野球で言えば、エースと四番がそれに当たる。中心の考え方と行動は、他の人間に伝播する。

弱いチームは規律が甘い。乱れている。断言してもいい

考え方も氏素性も異なる人間を統率し、同じ目標に向かって進ませていくためには、最低限の秩序やルールが必要。それを無視して各自が勝手に行動すれば、組織はまとまらない。当然、よい仕事もできない。

大きな実績を残している組織は、礼儀についてもしっかり教育しているし、礼儀をきちんとわきまえた人間は、仕事においても立派な結果を出すもの

ヤクルト監督時代、優勝を決めたあと、消化試合でBクラスのチームと対戦した。そのチームの選手は野村の顔を見ても「こんにちは」と言うだけだった。そのあと巨人の選手と会うと、皆が口々に「おめでとうございます」と言ってくれた。「さすがは巨人だな……」…

「チームのためにヒットを打つ」と「ヒットを打つことがチームのためになる」は明確に違う

「一本でも多くヒットを打ちたい」「一勝でも多く勝ちたい」と考えるのは正しい。しかし、それが「自分の成績を伸ばすことでチームに貢献する」と変換されてしまってはいけないのだ。「チームのために成績を伸ばす」とならなければいけない。前者は「チーム…

プロとして恥を知れ

ヤクルト監督時代、エラーをした選手がベンチに戻ってくると「ドンマイ、気にするな」という声がかかった。それを聞いた野村は烈火のごとく怒った。プロならば失敗を「恥ずかしい」と思わなければならない。失敗を恐れてはいけないが、それを恥と思わなけれ…

中心なき組織は機能しない

組織論の大原則。中心いかんによって、組織が機能するか否かが決定される。中心は単に技量が優れているだけでは足りない。「チームの鑑」、すなわち、他の人間の模範であることが求められる。中心が仕事はもちろん、私生活においても自分を厳しく律し、真摯…

キャッチボールをいい加減にする選手に、いい選手はいない

自分だけが気持ちよく投げるのではなく、どうすれば相手も気持ちよく受けられるか、という思いやりの心が必要。そうすることで、おのずと正しいフォームで投げることにつながるだけでなく、チームワークも生まれる。