野村克也 名言集

仕事に挫折したとき、組織に悩んだとき、人生に苦しんだとき… 野村克也の言葉があるじゃないか。ノムさんの人生哲学が凝縮された名言集。

無形の力

目に見える表面的な現象だけを追いかけていたのでは、物事の本質に迫ることはできない

本質を捉えるには「観る」目が必要。「見る」は目で見ることだが、「観る」は心で見ることを言う。「見る」は表面的なものだが、「観る」は状況を判断するために意識してものを見るという深さがある。いわゆる「観見二眼」というものだが、これはスポーツだ…

深い思考の出発点は、「ものの見方」

「見る」とは、目の前にあることを捉えること。「観る」とは、相手の心の動きを察すること。相手や状況を「観る」ことで、深みのある思考が可能になる、

今まで私が監督をつとめた南海、ヤクルト、阪神、楽天の4チームには共通点がある。それは、「どのチームも最下位になったとき私に監督就任を依頼してきた」ということである

どのチームにおいても野村が真っ先に行ったのが「意識改革」「選手に気づきを与えること」。

大きな実績を残している組織は、礼儀についてもしっかり教育しているし、礼儀をきちんとわきまえた人間は、仕事においても立派な結果を出すもの

ヤクルト監督時代、優勝を決めたあと、消化試合でBクラスのチームと対戦した。そのチームの選手は野村の顔を見ても「こんにちは」と言うだけだった。そのあと巨人の選手と会うと、皆が口々に「おめでとうございます」と言ってくれた。「さすがは巨人だな……」…

無形の力は有形の力に勝る

投げる・打つ・走るという目に見える「有形の力」には限界がある。しかし、観察力、洞察力、判断力、決断力、記憶力。データを収集・分析して活用する力。さらに深い思考と確固たる哲学……これら目に見えない「無形の力」は無限である。磨けば磨くほど、鋭く…

本能のままの戦いはプロではない

緻密な戦略、知力から生まれた戦いこそプロ。

データは変化を見る基準

これを補うのが「観察」。目に見えるものから情報を引き出す力のことである。「洞察」とは目に見えないものを読む力。これの最たるものが心理を見抜く力だと定義する。

物理的な強さではなく、伝統や自負など無形の力が他を圧倒する

川上哲治監督が率いるV9時代の巨人こそ、野村の理想のチーム。「自分たちこそ球界の盟主、プロ野球を牽引している」というプライドが見えたという。

実戦で変化を読む眼、変化に対応する能力、心理や士気(ムード)など目には見えない能力といった無形の力こそカギを握る

形に表せない力こそが大切。それを実感できるか。

私たちは貧しかったが、心の中まで貧しかったわけではない

3歳のとき父が戦死し、母子家庭で貧しい生活を強いられた幼少期だったが、母の愛情に育まれ、たくましく前向きに夢を持って成長したと自負している。大切なのは、形あるものではなく、愛情という無形のもの。

“勘”というと一般的になんとなく曖昧なもののように思われるけど、習練を積み重ねたところから生まれる“勘”というものは、科学も及ばない正確性、適格性を持っている。そこに人間の習練の尊さというものがある

1963年に当時の日本新記録となる52号本塁打を放った試合を振り返って。「第六感」と「ヤマ勘」は違う。第六感は執念のヒラメキ。

「野村の考え」の根本にあるのは、目に見えない力、無形の力を引き出し、育てること。結果は大切だが、すべてではない。結果の裏側にあるプロセスこそ重視すべき

「我々は結果主義。よい結果を出すためには、どれだけの準備をしたか、で決まる」。

チームに受け継がれていく財産が「伝統」という何事にも替えがたい無形の力になる

優勝やタイトルという好結果が、そのチームに自信と誇りをもたらし、熟成されると、風格になっていく。それこそが伝統の重みであり、V9時代の巨人がこれにあたる。

感じる人間が勝ちを制する。感じないことは罪であり、鈍感は人間最大の悪

「考えるスポーツである野球において、感じなければ、話にならん。成長しない」。

ピーンとくる勘と、感性が働いてのヤマカン、そして全体を判断するところから生まれる観。この3つの「カン」を養うことで、喜びという「歓」がもたらされる

「カン」という漢字の種類はたくさんある。野村は辞書を引いてみて気づいた。「全部異なる意味やけど、全部野球に必要なこと」。

戦いには、気機(指揮官と兵士の闘志)、地機(天地の利)、事機(組織としてのまとまり)、力機(戦力)の四つがある。その中で最も重視されるのは、気機である

闘志、やる気があるからこそ、人は大きな目標に向かえる。

勝つことへの執着心こそ、チーム愛の原点

チームが強いと、チーム愛は自然と育つ。勝つことで結束が強まる。

優勝というのは強いか、弱いかで決まるんじゃない。優勝するにふさわしいかどうかで決まる

勝利に対する野村の考え。イギリスのことわざにも「ダービーは常に強い馬が勝つ。だが、いちばん強い馬が勝つとは限らない」というものがある。

指導者は「中心軸」が必要。中心軸とは、「信頼」「信用」「尊敬」「人望」

王貞治元ソフトバンク監督を評して。ソフトバンクの選手たちは、王監督を尊敬し、その気持を口にしていた。「王監督のために」「王監督を胴上げしたい」など、よいムードが漂っていた。

チームへの愛情を育て、プライドを持たせる

集団を強くする要素。「愛情を育てればチームは強くなる。プライドとは、恥を知ることから生まれる」。

マー君、神の子、不思議な子

田中将大のプロ入り1年目、ノックアウトは食らうのだが、不思議と「負け」がつかない田中を評して。点を取られて降板したあと、打線が盛り返して逆転し、田中の「負け」を消してしまう。野球の神様が味方しているから「神の子」。

「平常心」を高めるためには、熱意がいる。それを選手に観念でなく、感覚で捉えてもらう

頭で理解するのではなく、心と体に覚えこませる。そこに到達したとき、試合という舞台で、平常心で力を発揮できる。

プロフェッショナルの「プロ」は、プロセスの「プロ」でもある

二桁勝利投手や3割打者などの「有形の力」ではなく、努力やその過程など大切な「無形の力」をいつ認識するかが、「プロ」として歩む本当の道につながる。