一流の条件
努力するということについて、野村は誰にも負けなかった。人の倍以上練習したし、毎夜の素振りも欠かすことはなかった。けれど、「つらい」「苦しい」などとは一切感じなかった。それどころか「楽しい」とさえ思った。なぜなら、忍耐の裏側には「一流になれ…
一流のバッターは、ピッチャーのフォームにわずかに現れるクセを見逃さない。一流のキャッチャーは、バッターのスタンスやボールの見逃し方などから、考えていることを見抜く。一流の野手は、キャッチャーの出すサインを見て、打球の飛んでくる方向を予測し…
一流と二流を分けるもの。それは才能の多寡ではなく、伸び悩んだり、限界に突き当たったりしたときに、どういう態度をとるかだ。
感じなければ人は動かない。動かなければ、成長することもない。
一流は同じ失敗を繰り返さない。
親に感謝し、恩返しをしたいと思えば、選手として大成し、大金を稼げるようになるしかない。「大成した選手は例外なく親孝行だ」。
川上哲治監督が率いたV9時代の巨人の強さを見て。
川上哲治監督が率いるV9時代の巨人こそ、野村の理想のチーム。「自分たちこそ球界の盟主、プロ野球を牽引している」というプライドが見えたという。
プロ野球界に入って50数年、プロ野球について考えてきた“誇り”が自分を支えている。
孤独な作業や練習こそが、明日の自分を作る。
かつて指導した南海の江夏豊やヤクルトの石井一久を評して。「“打つなら打ってみやがれ”という自信満々の態度がよかった。雰囲気、強気で打者を圧倒していた」。
大成する人の共通項に“遊び心”があると言う。「あくまでも仕事にプラスになる遊び」。
変わる勇気を持てるか否か。人は成功しているとき、さらなる変化をすることに躊躇する。失敗したとき、何かを試してみることに二の足を踏む。だが「いい成績でも、ダメな自分に直面しても、今ある状況に慣れてしまうことが最も恐ろしい結果への入口」。敵は…
「金田正一、江夏豊、私が受けた杉浦忠、稲尾和久には、打者に向かっていく闘争心があった」。
歴史に名を残すプレイヤーは、自分という“商品”を客観的に「感じる」「見抜く」。
一流は常に意欲を持続している。現状維持に固執した瞬間、その力は落ちていく。
二度繰り返す者は二流、三度繰り返す者は三流。
他者と自分の差を明確に認め、独自の道を模索する。変化を恐れず、勇気を持って行動する。これがプロに求められる資質。
自らが経験し、考える。これが一流への階段を上がることにつながる。
失敗に対して潔く責任を認め、受け入れること。この強さと客観性が向上心につながり、自己変革のきっかけとなる。
王貞治や長嶋茂雄、イチローは、自分への挑戦を続けてきた。
工夫することで、きっかけ、変化が生まれる。
思考と行動は連動している。
天才と称される長嶋茂雄もイチローも、人の何倍も努力して今の地位を築いた。レギュラーになっていく選手は「努力を続けることができる。結果が出たことに対して興味が沸き、それが好奇心へと発展するから、好循環が生まれる」。
1963年に当時の日本新記録となる52号本塁打を放った試合を振り返って。「第六感」と「ヤマ勘」は違う。第六感は執念のヒラメキ。
常に挑戦し、変化を恐れない。これぞ一流。
満足が妥協を呼び、妥協が限定を呼ぶ。一流は決して、現状に満足も妥協も限定もしない。
「みんな並の努力はする。あと一歩やるか、あと一回、あと一時間やるかどうかが勝負」。
並の選手と一流選手の違い。並の選手にとって、敵は「相手」だが、一流選手にとって敵は「自分の中」にある。一流選手と超一流選手の違いは、一流選手は「勝ちパターンを持っている」のに対し、超一流選手は「勝ちパターンが多い」。常に進化・変化していて…
田中将大のプロ入り1年目、ノックアウトは食らうのだが、不思議と「負け」がつかない田中を評して。点を取られて降板したあと、打線が盛り返して逆転し、田中の「負け」を消してしまう。野球の神様が味方しているから「神の子」。