2016-12-06から1日間の記事一覧
それが人間形成につながり、人からも高い評価をされるようになり、愛され、人間関係を円滑にしてくれる。
礼儀が身についていない人間は社会で相手にされない。逆に言えば、礼儀さえきちんとわきまえていれば、社会に出ても最低限困ることはない。憲法を知らなくても生きていけるけれど、礼儀を知らなければ生きていくのは難しい。
たとえ凡人であっても、頭を使い、徹底的に考えれば天才と十分に戦える。
世の中に天才は一握り。ほとんどの人は凡人である。が、とかく天才というものは考えなくてもできるから、頭を使うことが少ない。そこに凡人が天才に勝るチャンスがある。
短い勝負であれば器用な人間が勝つかもしれないが、長期戦になれば必ず不器用が勝つ。
器用な人間は何事もそれなりにこなすことができるので、周囲から重宝され評価もされる。しかし「器用貧乏」という言葉があるように、「これだけは負けない」という自分の武器を持てずに終わることが少なくない。対して不器用な人間は、要領が悪く、何度も失…
つまり頭と口。頭脳と言葉である。むさぼるように本を読んだ。人前で話すことは苦手だったが、必死で挑んだ。
70歳で楽天監督の要請があったときに考えたこと。
向上心こそ「考える」きっかけになる。野村は、自分の天性では2割5分が限界だと悟った。そこから「考えに考え抜いて」、自らの技術的限界を超えた。
努力は大切。だが、がむしゃらな努力は見当違い。「優れた才能を持ちながら使い方を間違えたり、自分が向いているのは別の方面なのに、方向違いの努力をしている選手もいる」と警鐘を鳴らす。まずは自分を知ること。向き・不向きなど、自分に対する“適材適所…
何に対して努力をするのかが問われる。「自分自身の能力を知り、それに向かって努力してこそ、道は切り開かれる」。
阪神監督時代、久万俊二郎オーナー(当時)と3時間半会談し、編成部の大改革を迫った。相手が年上でも、大経営者でも、臆することなく発現するのが野村流。チーム改革への情熱、野球に関して譲れないプロ意識が心を突き動かした。
自分をだまし、相手をだましながら、ピンチをしのぐ。「そこからは決して努力は生まれない」。
「自分はこれで精一杯だ、自分の力はもはやここまでだ」と自己限定するのは、低いレベルで「妥協」するから。壁にぶつかると「オレはこんなもんだ」とあきらめて努力しなくなる。「中途半端な選手ほど、この傾向が強い。こんな考えだから、中途半端な選手で…
選手に伝えていること。「どうせ……」と思ったとたん、現状維持どころか、人間の力は落ちていく一方。
選手に頻繁に言う口癖。知力の戦いに厳しさを求めている。
心地よいヌルマ湯に浸かっていれば、いつまでもそのままだ。
まさしく野村の生き方そのもの。常に挑戦し、変化を恐れない。
「その隠れた才能を引き出すこと。年齢や体力に応じた才能の発揮法を、本人に気づかせてチャレンジのチャンスを与えること」。これも監督の使命だと考えている。
そのきっかけを与え、他球団で解雇された選手たちを再生させてきた。
ヤクルト監督就任後、ミーティングなどで、選手の態度から「変わりたい」「向上したい」という意欲をひしひしと感じた。池山隆寛や宮本慎也が後年、「野村監督のおかげで今がある」とテレビや雑誌を通じて発言していることを、心から喜んでいる。
野村には、社会に生きる使命感と同時に、自分を大切にする心がずっとある。それが行動の原動力。
野村には、社会に生きる使命感と同時に、自分を大切にする心がずっとある。それが行動の原動力。
「人間を預かり、動かす地位にいる」。この重さを自覚する者だけが、監督になる資格がある。指導者には言葉が不可欠。
それでは選手には伝わらない。だからこそ、選手には現役時代から「本を読め」とすすめている。
話すことの大切さ。また、相手にわかりやすく伝えるためには言葉を獲得しなければならない。評論家時代の体験を大切にしている。
現役を引退したあと、講演や解説をしたことで、自らの野球に対する思いや考えを「言葉」にする練習ができたと感じている。その成果は、指導者になったとき発揮された。選手に野球理論を説明しやすくなったのだ。
言葉がなくて、自分の考えが伝わるはずがない。「つまり説得力がリーダーの条件のひとつ」。